高等教育の機会均等について調査・発信活動をしました。東大生の親はかなり裕福であることが知られています。では、お金持ちの家庭に生まれなければ国立大学である東京大学で学べないのでしょうか?私は学生寮でアンケート調査を行うことで、かなり低所得な家庭から進学した学生が数十人レベルで存在し、東京大学で充実した学生生活を送れていることを明らかにしました。大学の調査でも、所得が全国平均以下の家庭から進学した学生の割合が学部生の1割を超えることがわかっています。さらに、東大進学が不可能でないことを示すのに加えて、大学進学を可能にした奨学金や授業料免除などの経済的支援制度について具体的な情報をまとめることで、後に続く学生たちが経済的困難を乗り越える一助となることを期待しました。これらは東大立花ゼミ(教養の授業でした)「見聞伝」WEBサイト上に「貧困と東大」として掲載されています。このような活動をしたのは、私自身がいわゆる恵まれない家庭で育ち、学費や生活費をほとんど親に頼れない環境にあり、一時は進学を諦めかけたためです。
この活動は大きく注目され、週刊誌AERAやNHKクローズアップ現代で紹介されました。また、立花ゼミが執筆した「二十歳の君へ」(文藝春秋、2011年)でも紹介しています。