応援メッセージ

朝倉彰洋(大学院工学系研究科応用化学専攻 修士課程2年)

東京大学の魅力は、非常に優れた知性と行動力を持つ学生や教職員が多数存在することです。キャンパスで出会う人々は、絶えずポジティブな刺激を与えてくれます。友人たちと授業の空き時間に、あるいは夜を徹して、議論したりともに活動したり…
所属団体:東京大学見聞伝ゼミナール
アルバイト:塾チューター
出身高校:愛知県立時習館高等学校
趣味:読書と散歩

現在、特に力を入れている取り組み

 
 
高等教育の機会均等について調査・発信活動をしました。東大生の親はかなり裕福であることが知られています。では、お金持ちの家庭に生まれなければ国立大学である東京大学で学べないのでしょうか?私は学生寮でアンケート調査を行うことで、かなり低所得な家庭から進学した学生が数十人レベルで存在し、東京大学で充実した学生生活を送れていることを明らかにしました。大学の調査でも、所得が全国平均以下の家庭から進学した学生の割合が学部生の1割を超えることがわかっています。さらに、東大進学が不可能でないことを示すのに加えて、大学進学を可能にした奨学金や授業料免除などの経済的支援制度について具体的な情報をまとめることで、後に続く学生たちが経済的困難を乗り越える一助となることを期待しました。これらは東大立花ゼミ(教養の授業でした)「見聞伝」WEBサイト上に「貧困と東大」として掲載されています。このような活動をしたのは、私自身がいわゆる恵まれない家庭で育ち、学費や生活費をほとんど親に頼れない環境にあり、一時は進学を諦めかけたためです。
この活動は大きく注目され、週刊誌AERAやNHKクローズアップ現代で紹介されました。また、立花ゼミが執筆した「二十歳の君へ」(文藝春秋、2011年)でも紹介しています。

東大の魅力

東京大学の魅力は、非常に優れた知性と行動力を持つ学生や教職員が多数存在することです。キャンパスで出会う人々は、絶えずポジティブな刺激を与えてくれます。友人たちと授業の空き時間に、あるいは夜を徹して、議論したりともに活動したりすることは、この上ない経験と成長をもたらしてくれます。また、先生方はまさに一流であり、授業でなげかけられる疑問やレポート課題などに自分の答えを出そうとウンウン考えることで、受験勉強で狭くなっていた視野を大きく広げることができます。学びの機会は学内に限ったことではなく、東京大学の学生というものは、自らの限りない知的好奇心を発露させ、礼を尽くしてお願いすれば、社会の様々な場面に忍び込ませてもらえる身分でもあります。

東大の足りないところ

東京大学の教育は、修行の場と考えればよいのですが、親切丁寧に教えてもらえるというところではありません。徐々に変わってきてはいますが、高校までのように待っているだけで教えてもらえるのが当然だという態度でいると、ほとんどなにも得るものがないでしょう。生徒から学生へと、学びの形態が大きく変化することを明示すること、あるいは変化を緩和するような授業のあり方を探ってほしいものです。

東大に対して、入学前と現在とでギャップを感じたこと

受験勉強以外のことができる学生が多いということです。音楽などの芸術の素養がある学生が多く、それ以外にもしっかりとした趣味を持った学生がたくさんいます。世間で言われているような勉強しかできない学生はいるとしても多くなく、一緒に時間を過ごしていておもしろい学生がたくさんいます。

受験生時代を振り返り、こうしたほうが良かったと思えること

復習をもっとしっかりやればよかったと思います。難しい問題をたくさん解くことばかり考えていましたが、果たして解いた問題を十分に理解していたかというと疑問です。自分の理解していない事柄を把握することは非常に重要です。逆に、解けなかった事柄を放置して量をこなすのは効率が悪いことだと思います。
また、計画的に行動できるようになっておくことの重要性も今になって再認識しています。がむしゃらに勉強するのも時には大事ですが、長期的に見れば休憩など自分の心身のメンテンナンスをうまく計画に組み込みながら、高いパフォーマンスを維持し続けられるようにしておけばよかったと思っています。

私にとっての恩師

母校の先生方はみなさん熱心に指導くださり、その後の知的基盤となりました。

東大入試ドットコムへのメッセージ

情報が氾濫して信頼できるものがわからないという状況は私も残念に思っています。時間も労力もかかり大変な仕事だとは思いますが、これからもがんばってください。期待しています。

list page 

ソーシャルボタン

公式Twitterアカウント