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入試英語攻略のための参考書 ― 第三部 長文 ―

さて、長文読解のための一番効率的な対策は、志望校に出題される問題と同じタイプの問題を解くことだと思っています。そうすると、東大に合格するためには「東大の過去問」や「東大模試の過去問」を解くのが最も手っ取り早い、ということになるのですが……
まだまだ暑いですが、秋に突入しました!みなさん、勉強の調子はいかがでしょうか。

今回は第三部ということで、長文問題集を紹介していきます。

■長文読解が合否のカギ■
これまでの2回で、単語・文法というどちらかといえば地味ですが欠かせないカテゴリーについて説明してきました。入試問題の中には、単語・文法の知識さえあれば解ける問題も多くありますが、そのほとんどは配点も低めで「落とさないようにする」というスタンスで取り組むのが一般的かと思います。一方、長文読解は大問1つの中に、単語や文法の穴埋めである空欄補充問題に加え、語句整序問題、内容一致問題などと幅広く問題が出題され、配点も大きいのが特徴です。ちなみにセンターの配点は、知識を要する第1、2問はだいたい60点、その他第3~6問の長文読解で140点を占めます。このことからも、長文でとれなければ合格は難しいということがわかるでしょう。


■本丸を攻めたい……■
さて、長文読解のための一番効率的な対策は、志望校に出題される問題と同じタイプの問題を解くことだと思っています。そうすると、東大に合格するためには「東大の過去問」や「東大模試の過去問」を解くのが最も手っ取り早い、ということになるのですがまだ英語が仕上がっていない人に対して、いきなり過去問を解けといっても無理な話でしょう。そこで、ステップを追って長文をトレーニングするための、参考書をいくつか紹介したいと思います。


■長文問題集・参考書■
「やっておきたい長文」シリーズ 河合出版
これは300、500、700、1000の4レベルに分かれています。(数字は長文の語数です。)300は初心者向け、500は中級者向け、700、1000は上級者向けといったところでしょうか。東大志望者であれば、9~10月の時点で700レベルの長文は読めるようになっておけるとよいです。余裕がある人は1000に突入しても構わないと思いますが、1000を極めるくらいであれば、過去問や、模試の過去問に進んだ方が効率的かもしれません。
このシリーズは、解説に段落ごとの全訳や単語などの知識が書かれており、解説が充実しているため、一人で学習できるような仕組みになっています。長文に苦手意識がある人はまずはこのシリーズから始めるのがおすすめです。

「東京大学への英語」駿台文庫
「入試攻略問題集 東京大学英語」河合出版
「東大入試プレ問題集」代々木ゼミナール

東大模試の過去問と解説が載っている問題集です。まずは駿台、河合、代ゼミから出されているものを紹介しました。東大模試のレベルとしては、駿台が難しめ、河合・代ゼミが標準から難しめ、といったところでしょうか。もしどれからやるか迷っている人はまずは河合から始めるのがよいと思います。
模試の過去問は必ずしも通しでやらなくてもよいと思います。苦手なパートや力を入れたい問題がある人は、大問ごとに時間を区切ってやるのもよいでしょう。自分でうまくカスタマイズして活用してみてください。

「東大の英語25ヵ年」教学社
東大受験生のバイブルのような存在となっている、25ヵ年シリーズですが、長文読解のためにもうまく活用できます。総合読解問題だけでも25問程度載っていますし、第1問の段落整序問題の前身である、読解問題も収録されています。東大模試の過去問もやりきり、あとは過去問でメンテナンスするのみ、という人はぜひ舐めるように25ヵ年を解いてみてください。

長文ということで、ここで第一問の要約、パラグラフ整序について触れておきます。この大問はある程度長文読解の力がついてきてから、「東大模試の過去問」や「25ヵ年」を使うのがもっとも効果的かと思います。要約は問題集もあるのですが、練習用としては難易度が高すぎるものが多いです。また段落整序を出題する大学は多くないので、そもそも市販の参考書があまりないということもあります。強いてあげると河合出版から各大問用の問題集が発売されていますので、それを用いて練習するのもありかもしれません。


■センター試験を活用する■
長文対策にセンター試験を活用する方法もあります。センター試験は前述の通り、3/4が長文読解問題となっています。センターはすべてマーク形式なので、記述の前の段階で詰まっている人は、センターで調整してみるのもよいでしょう。東大受験者は必ずセンターを受けることになるので、センターの対策もでき一石二鳥です。目安としては制限時間内に180/200を目指すとよいでしょう。
センターの過去問は直前にとっておくのが望ましいので、これも模試の過去問を使っておくとよいと思います。おすすめは河合出版か、Z会、代ゼミの過去問がおすすめです。得意な人には駿台がよいでしょう。


■とにかく過去問!■
長文対策は上でも述べましたが、「本物をやる」につきます。本物にある程度対応できるよう準備してからでないと意味がないので、まずは「外堀」を埋めることになるのですが、いつまでも外堀埋めに終始してはいけません。力がついてきた、具体的には問題集でコンスタントに7~8割くらいとれるようであれば、次のステップに進みましょう。焦りは禁物ですが、少しでも多くの過去問に触れておくのがおすすめです。
また長文読解でその基礎となる単語や文法に穴が見つかった人は、必ず冬に入る前につぶしておきましょう。冬はセンター対策に追われることが多く、落ち着いて勉強できる保証はありません。よく反省し、なるべく早めにつぶしておきましょう。





次回は9/6(金)に英作・和訳問題集について紹介予定です。あと2回ほどよろしくお願いします。

2013/09/02 武井靖弥
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