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Z会出版『実力をつける地理100題』

国立私立問わず、2次試験の地理対策をする高校生が一度は耳にするor手に取る、といっても過言ではないのが本書。

地理の基本的な学習事項を押さえたい、論述の対策をしたい、ちょっとニッチな私立文系対策をしたい、等々。本書は学習者の様々な(?)ニーズに答えてくれます...
地理の2次対策のバイブル的問題集。

国立私立問わず、2次試験の地理対策をする高校生が一度は耳にする or 手に取る、といっても過言ではないのが本書。

地理の基本的な学習事項を押さえたい、論述の対策をしたい、ちょっとニッチな私立文系対策をしたい、等々。本書は学習者の様々な(?)ニーズに答えてくれます。

まず本書を手に取ると「おお、二冊に分かれているのね」と二分冊構成であることが分かります。全体を二冊に分けるほどでも無いのでは…?と思ってよく見てみると、片方は解答編。問題編と同じくらい、解答編が分厚く(下手すると問題編より分厚い)なっています。この解答の分厚さ(=手厚さ)が本書の特色です。

中身について、その名の通り本書は大問100題から構成されています。章立ては1〜20章に分かれており、1章〜10章が系統地理、11章〜18章が地誌、19章が総合問題、20章が論述問題となっています。

問題編の内容は、章ごとにポイント整理→問題、という構成。
ポイント整理は1章につき1〜2ページとかなり簡潔です。初習の人がみても「よくまとまっているな…」くらいしか分からないですが(例えば農業は2ページ。農業の項で言えば、「アジアの農業:米などを中心に集約的自給農業がさかん」程度です。)、一通り地理の学習が済んでいると「あ、そうそうそうだったな」と思えるでしょう。初習の方が取り組む際には別に参考書(例えばコチラ)を手元に置いておくことをお勧めします。

問題は記号選択・穴埋め・語句などの短答問題と論述問題がバランスよく並べられています。各単元について、徐々に理解を深めて行ける構成になっています。
東大二次対策のみを考えるのであれば、地誌(11〜18章)の短答問題はやや細か過ぎるかもしれません。東ヨーロッパの工業都市や北米の中堅都市など、これまでの地理学習では触れることのあまり無い都市名を答えさせる問題もちらほら。そのような問題に当たった時は「できなかった…」と嘆くのではなく、「そんなのもあるのね」程度に捉えられる余裕が必要なのかもしれません。一方で、系統地理分野の短答はセンター対策にもなるのできちんと押さえておきたいところです。
論述は、各単元の有名テーマを押さえた構成になっています。力試しのつもりで一度書いてみると良いでしょう。

そして特に論述対策に威力を発揮するのが解答編です。問題編のそっけないポイント整理とは打って変わって、これでもかというくらいポイントが丁寧に解説されています。『本書の使い方』に、「解説をノートに書き写すと良いでしょう」と書いてあるのもうなずけます。
また、論述の解答には、本版(2010年改訂)より「採点ポイント」・「組み立て」が追加されました。前版まではこの部分が弱かったのですが、今回の改訂で論述対策機能がパワーアップした感があります。

東大二次対策を考えれば、一通り全単元を学習した後、過去問演習をする前に解いておきたい1冊です。



2014/06/13 根本

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