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第2回 東大生はヒマ?


 巷では大学生活のことを「人生の夏休み」なんて呼んだりします。実際、髪を金色に染めて居酒屋でバカ騒ぎしていたり、平日の昼間から繁華街で遊び歩いていたりする姿を見ると、それもあながち間違いじゃない気がしてしまいます。
 それでは、東大生はどうなのでしょう?世間の大学生のイメージ通り人生の夏休みを謳歌しているのでしょうか、それとも、そんなイメージとかけ離れた勤勉でストイックな生活をしているのでしょうか…
 第二回のテーマは、「東大生ってヒマ?(前編)」です。


 結論から言うと、当然と言えば当然ですが東大生の忙しさは学部・学年・目標によってさまざまです。社会人並みに余裕のない生活を強いられている学生もいれば、朝から晩まで遊びまくっている学生もいます。
 そこで、どの時期のどんな東大生が、どのくらい忙しい生活を送っているのか、二回にわたってざっと紹介していきたいと思います。今回は、入学~進振りまで編、次回は進振り以降編です。



一年夏学期(4月~7月) 

 入学直後、高い理想とモチベーションを持って入学した東大生を待ち構えているのは、「暇過ぎはしないが、高校よりは断然余裕あり」といったくらいの生温い日々です。105分の授業を15コマ程取るのが主流で、授業の総時間自体は高校と大差ありませんが、断然高校よりラクです。その理由をいくつか挙げると…

① 時間割を自分の好きなように組めるので、朝が苦手な人は授業を午後に寄せたり、逆に夕方の予定を空けたい人は朝に寄せたりできて融通が利く
② 一部の授業しか出席を取らない上に、代返(※1)ができるものもあるので、受ける必要がないと思った授業は切る(※2)ことができる(推奨はしません)
③ 大人数で受ける授業が多いため、内職・居眠り等カンタンにできてしまう(推奨はしません)

などがあります。①と②の点を生かして出席する必要がない授業ばかりを選択して取れば、実質週5コマ程度にすることもできます。

 以上の通り、拘束時間という点だけで見れば高校よりも断然負担は軽いのですが、全員が高校より楽な生活を送っているわけではありません。部活に入ったり、いわゆる意識の高いバイトやボランティア活動をしたりすれば当然余裕はなくなりますし、何よりこの時期の学生の負担というのは進振りでどの学科を狙うかによっても左右されます。
 例えば、理Ⅱからの医学部進学を狙うのであれば進振り点は90点程度(東大生全体の上位数パーセント)が必要になりますし、それだけの点数を狙うには周りと同じだけの努力をするだけでは不十分です。医進は極端な例としても、進振りで大抵の学科に行ける水準を維持するためには授業時間外の努力は不可欠です。
 くれぐれも、進振りの時期になってやっぱりもっと勉強しておけばよかった…と後悔しないようにしましょう。



一年夏休み(8~9月) 

 初めて訪れる大学生活の夏休み、まさに人生の夏休みの夏休みで、何もタスクがない日々を過ごすことができます。バイトやサークルに打ち込むもよし、地元に長期間帰省するもよし、免許や資格を取るのもよしの本当に自由な時間です。
 しかも高校までと異なり、夏休みはほぼ2ヶ月あります。大学生慣れしていないこの時期の学生にとっては遊んでも遊んでも遊び足りないくらい長く感じるでしょう。



一年冬学期(9~1月) 

 長い長い夏休みを終え迎える冬学期、夏学期に比べそんなに大きな違いはありません。理系生は実験が始まりやや負担が増えますが、午後に週一回あるだけなので生活が大きく変化することはないでしょう。
 ただ、冬学期の学生は夏休みを経験しています。同じくらいの忙しさでも、夏休みにダレにダレた学生にとっては何倍もつらく感じられるでしょう。気温が下がっていくにつれて布団から出るのがどんどん難しくなっていくため、この期間に一気にダレる学生も多いです。注意してください!

 12月の末から1月の頭にかけては二週間程度の休みがあります。高校までの冬休みと同じくらいの長さですが、大学生は休むことに慣れ切ってしまっているためその有難みは薄いでしょう。



春休み(2月~3月) 

 2ヶ月にも及ぶ春休み、実に高校までの4倍ほどの長さです。夏休みと同じく、特に大学から何かを課せられることはありません。皆休みの過ごし方にも慣れてきて、サークルやバイト以外にもウインタースポーツや海外旅行、免許合宿等思い思いの方法で時間をつぶします。



二年夏学期

 まともに単位を取っていれば、この期間が4年間の学期中で最もヒマな時期になるでしょう。今までより必修の授業がぐっと減り、選択科目も少し取るだけで済みます。もうあまりにも暇なので、一年の春休みから二年の夏休みまでのほぼ半年間をまとまった一つの休みと思えてきます。ただ、一部の学科では要望科目(※3)が設けられていて、それなりに時間を取られるようです。
 ただ、進振りで選ぶ学科によっては、(長期休暇を除けば)学生らしい生活を送れる最後の時期になります



次回、進振り以降編に続く…





語注
1 代返…「代」わりに「返」事すること。出席している友達に自分の代わりに出席の処理(出席表に名前を書く、自分の名前の欄に〇を付けるなど)を行ってもらうこと。完全な不正行為です。
2 切る…授業を意図的に休むこと。「今日は眠すぎたから一限切った」等と用いる。
3 要望科目…進振り後の二年冬学期以降の授業を滞りなく進めるために、各学科が進学予定者向けに受講を勧めている科目。

2017/07/27 K.H

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