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特集ブログ ~自身の合格体験を吐き出すだけのブログでは不十分~

 東大生や東大卒業生が、自身の合格体験を基にアドバイスをしているブログや書籍は数多くある。もちろん、有益なものも多い。
 ただし、実際に生徒指導をしていると、自身の東大合格体験はあくまでも一例でしかないことに気づく。生徒を東大に受からせるには、学科知識、教材・模試・過去問の活用法、受験戦略、学習方法のすべてを見直し体系化する必要がある。

 情報が氾濫する時代だからこそ、自身の合格体験を吐き出すだけのブログでは不十分。自らが東大合格体験者でもあり、東大受験専門の塾・予備校の講師として毎年、生徒を東大合格に導いているメンバーのみが運営する『東大入試ドットコム』の特集ブログです。

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2015/12/14
 東大世界史の解答用紙は、次のような形式となっています。

⇒PDFファイルダウンロード(全年度共通)

■サイズ■
 A3程度の大きさの用紙に、横30字×縦22行の解答欄が片面2つ。両面印刷なので計4つの解答欄が付いていて、本番ではそれが2枚(2科目分)配られる。第1問をイ、第2問をロ、第3問をハに書くことになっていて、世界史で利用するのはイ~ハの解答欄まで(イ~ニまで使うのは日本史だけ)。


■特徴■
 他の地歴科目と解答用紙は全く同じなので、世界史固有の特徴はない。理科同様解答科目を切り取る作業があるので、自分が解答する科目と解答用紙を間違えないように注意する(例:地理を切り取った解答用紙に、世界史を解答しないこと)。

第1問(大論述)
・年にもよるが17~20行が行数制限となるのが一般的。(感覚的には、制限を超えても大幅な減点にはならないとは思うものの、)制限を超えて書かないことが大事。
・書き始めたら途中から変更するのが難しいので、事前にメモを作ることが重要。
・指定語句への下線は絶対忘れないようにする。
・数字は1マスに2字は許容範囲か。例)19 24 年

第2問(小論述)、第3問(単答)
・あらかじめ自分で問題番号を書いておいて、解答用紙のフォーマットを作っておくのがオススメ。
・指定された行数は最低限守るようにする。
・こちらも指定語句に下線を引くのを絶対忘れずに。


■使い方■
 第1問、第3問は自分で考える余地があまりなく、使い方に迷うことはないと思われる。第2問は人によって好みが分かれるところ。合理的な使い方をしていれば減点はされないと思われる(解答欄の使い方次第で減点をされる模試も実際にはあるが、本番では無視されると考えていい)。大事なのはトータルで行数を守っていること。第2問だけ、以下に解答例のサンプルを載せる。



 第1問、第2問は、実際の解答用紙を使って書くことがなによりも練習になるので、過去問を解く際には解答用紙に実際に自分で書いてみることで書き方の感覚を掴んでほしい。

2015/12/14 武井靖弥

2015/12/11
 東大物理の解答用紙は、ここ20年以上次の形式となっています。

⇒PDFファイルダウンロード(全年度共通)

■サイズ■
 理科4科目共通で、A3程度の大きさの解答用紙1枚の表面に第1問・第2問用の解答欄が、裏面にそれらのほぼ倍の大きさの第3問用の解答欄が配置。第1問・第2問の解答スペースは実質B5程度、第3問は実質B4程度となっています。第1問・第2問には25行分の罫線が引かれていますが、インクの色が濃いので正直かえって書きづらいです(行を跨いで文字を書くのに見づらかったり分数式の括線がとけこんでしまったり……)。


■特徴■
 上端に、科目選択用の切り離し箇所があります。今まではハサミで切り取るものだったのですが、2015年度入試からミシン目が入って、手でちぎれるようになりました(当サイトには従来のものを掲載)。解答用紙が全科目同じなので、これで採点業務の効率化を図っているものと思われます。

 また、第3問の解答欄が他の倍の大きさになっているからと言って、物理の第3問の記述量が他に比べ多いということはありません。むしろ、年度によっては第3問が一番軽いのではないかということもあるくらいです。例年は、ほぼ同じ程度の重さの問題が3問並んでいると思ってください。


■使い方■


 特に第1問・第2問に関しては、導出過程をビッチリ書いていると時間にもスペースにも余裕が無いことが分かります。上の画像程度でも十分すぎるくらいです。

 ただ、最低限の記述で済ますにしても、ある程度綺麗に書こうと思ったら縦線を引いて欄を2分割するのは必要になってくるでしょう。自分なんか記述量が多くなってしまうので時には3分割までします(記述を多くすると時間はかかるが自分の思考過程は整理しやすくなる)。立式後の単純計算などは問題用紙の余白に行って、極力要点のまとまった解答を作ることを心がけましょう。

 過去問を解く際には是非、上のPDFファイルをダウンロードして印刷し、実際に自分で書いてみることで書き方の感覚を掴んでください!

2015/12/11 石橋雄毅

2015/12/10
さて、第6回となりました。今回は、卵形成と細胞分裂についての問題を扱います。では、早速問題を見てみましょう。









A
 まずは空欄補充問題です。これは特に難しい問題ではないので、完答必須です。
 「生殖腺は腎臓などと同様に(1)胚葉から分化し」とあります。腎臓は腎節と呼ばれる中胚葉由来の組織から分化するので、(1)は「中」が入ります。
 「始原生殖細胞はそこに入っていき、(2)細胞となる」とあります。これは精原細胞のことを指していますので、(2)は「精原」が入ります。
 「大きくなった一次卵母細胞は第一減数分裂の結果、二次卵母細胞と第一(3)になる」とあります。一次卵母細胞は第一減数分裂を経て二次卵母細胞と第一極体になるので、(3)は「極体」です。

(解答)
(1) 中
(2) 精原
(3) 極体

B
 一般的な体細胞分裂と卵割の違いを答える問題です。これも知識問題ですね。よく聞かれるところなので、分からなかった人は教科書を要チェックです。
 卵割が体細胞分裂と違うところを箇条書きします。

・細胞周期が短い。
・娘細胞(卵割の場合は割球という)が成長せずに分裂が進む。
・初期には分裂が同調している。

 この3点です。
 細胞周期が短いのでどんどん分裂が進みます。また、体細胞分裂の場合は分裂後にできた娘細胞が成長してから次の分裂が起きますが、卵割の場合は娘細胞(割球)の成長を待たずに次の分裂が開始されるので、全体としての大きさが変わりません。また、分裂が開始された直後は分裂が同調しています。「分裂が同調している」というのは、分裂するタイミングが同じ、ということです。「いっせーのーせ!」で分裂するんですね。普通の体細胞分裂は、開始のタイミングはバラバラです。

(解答例)
卵割は、細胞周期が短く、割球が成長せずに分裂が進み、また初期には分裂が同調している。(42字)

C
 ヒトデの卵巣に生殖腺刺激ホルモンを与えて出てくる、均一で球形の大きな細胞の招待は何か、という問題です。
 まず卵巣から出てくるので、この細胞は一次卵母細胞か二次卵母細胞であるという判断がつきます。また、「この細胞をすぐに顕微鏡で観察したところ、細胞内部に大きな核が観察されたが、やがてそれらの大きな核は見えなくなり」という記述があります。これは、体細胞分裂前期、および第一減数分裂前期に見られる現象です。一次卵母細胞と二次卵母細胞のうち、これから第一減数分裂を行うのは一次卵母細胞ですね。よってこの細胞は一次卵母細胞ですので、解答は(3)です。

 ちなみに、配偶子形成の問題は東大に限らずよく出題されます。各細胞の名称や、各細胞がどういう分裂を行って次の細胞を生み出すのか、しっかりと整理しておきましょう。

 動物の配偶子形成を、簡単にまとめてみました。知識の抜けが無いか、今チェックしてしまってください。




(解答)
(3)

D
 Cで答えた細胞の内部に観察された大きな核が見えなくなった現象についての問題です。Cで考えたように、この現象は第一減数分裂前期に見られる現象です。よって、「前期から中期への変化」である(2)が適切でしょう。
 ちなみに、第一減数分裂前期で見られる現象を他に4つ言えますか?

「核小体の消失」「相同染色体の対合」「棒状の染色体の出現」「紡錘体の形成開始」ですね。言えなかった人、今すぐ教科書をチェックです。

(解答)
(2)

E
 「1-メチルアデニンを加えた後に生じる、極端な不等分裂」とは、一次卵母細胞から二次卵母細胞と第一極体ができる第一減数分裂のことですね(上の図を参照)。体細胞分裂なら同じ大きさの娘細胞ができますが、卵形成における減数分裂は不等分裂です。これは、紡錘体の形成される位置が体細胞分裂と違う事によります。

 では、細胞のどの位置に紡錘体が形成されると、不等分裂になるのでしょうか?
細胞分裂終期に、紡錘体の赤道面の位置で細胞がくびれて分裂が完了します。つまり、紡錘体の赤道面が細胞の赤道面と重なっていれば均等な分裂になり、細胞の赤道面と違う位置に紡錘体の赤道面があると不均等な分裂になる、ということです。
ここで、選択肢(1)~(5)を見てみましょう。選択肢のような位置に紡錘体が形成されていると、赤の線で描いたように細胞が分裂するはずです。



このように考えれば、不等分裂が起きる際の紡錘体の位置として正しいのは、(4)だとわかりますね。

(解答)
(4)

F
細胞分裂終期に細胞にくびれが生じて、そこで細胞が2つに分裂し細胞分裂が完了します。このくびれの形成には収縮環と呼ばれる構造体が関与していて、これはくびれを生じる場所の細胞膜のすぐ内側にできることが知られています。この知識があれば、(1)が正解であることはすぐに見抜けます。
しかし、この知識を持ち合わせていなくても、実験結果から推察することはできます。
実験2で、紡錘体が完成された後に紡錘体を吸い取ると細胞にくびれが生じるとあることから、紡錘体はくびれの形成に関係ないことが分かります。よって(3)(4)は正解から外れます。また紡錘体を吸い取ることで、紡錘体の赤道面を含む平面の細胞質も吸い取ってしまうと考えられるので、(2)も誤りです。さらに、くびれは染色体が両極に移動してから生じるものなので、(5)も誤りであると考えられます。よって、消去法から(1)が正解です。

(解答)
(1)





 いかがでしたでしょうか?教科書的な知識と実験結果を組み合わせて考えるということを体験していただけたのではないでしょうか。今回の問題は若干知識重視だったかと思いますが、良いトレーニングになると思います。しかし、今回問われた知識は、重箱の隅をつつくような知識でしたか?・・・決してそうではないですね。東大といえど、聞いてくる知識は意外と普通なレベルのことです。だからこそ、基本中の基本である教科書をどれだけ大事にしてきたかが問われますね。

 みなさんも、「東大対策だから」と力んで小難しい参考書や問題集に走らず、基本を大事にしていきましょうね。

(解答まとめ)
A (1)中 (2)精原 (3)極体
B 卵割は、細胞周期が短く、割球が成長せずに分裂が進み、また初期には分裂が同調している。(42字)
C (3)
D (2)
E (4)
F (1)


2015/12/10 宮崎悠介

2015/12/09

東大数学の解答用紙は、例年次のような形式となっています。


⇒PDFファイルダウンロード(文系・全年度共通)
⇒PDFファイルダウンロード(理系・全年度共通)

理系

A3程度のサイズの解答用紙が2枚。1枚目の表が第1問と第2問,1枚目の裏が第3問,2枚目の表が第4問と第5問,2枚目の裏に第6問です。第3問と第6問については解答欄の広さが他の問題の2倍ということになります。解答欄の広さと解答に必要な記述量は必ずしも比例しないので注意が必要です。


文系

A3程度のサイズの解答用紙が1枚。表が第1問と第2問,裏が第3問と第4問です。4問とも解答欄の広さは同じということになります。


文理共通の特徴

・解答欄は完全に真っ白で自由度が高いです。計算の途中式,考え方,説明のための図などを適切に入れていく必要があります(多すぎると解答欄が不足するかもしれない&時間が無駄)。


その他注意点など

・とにかく正しい答えを出すことが非常に重要です。途中経過を丁寧に書くことにこだわり過ぎないようにしましょう。特に理系の第3問,第6問は解答用紙の面積が広いため,それなりにきちんと途中経過を書かないと解答欄が余ってしまい不安になりますが,細部にこだわって答えを出さないで終わるよりは、粗い議論でも値を出した方がマシです。

・下図のように,解答用紙の真ん中に縦線を引っ張って二段に分けて書いていくのがオススメです(解答スペースを効率よく使える&見直しもしやすい)。

・解答欄が真っ白なので,解答欄を間違える(違う大問の欄に書いてしまう)可能性があります。注意して下さい。もちろん途中で気づくはずですが,途中まで書いた解答を消して書き直すのはかなりのタイムロスになります。


※解答用紙二段組の例


2015/12/07
 東大国語の解答用紙は、2000年以降概ね次のような形式となっています。

文理 2015年度版 2014年度版 2013年度版 2012年度版 2011年度版 全年度対応
文系 PDF PDF PDF PDF PDF PDF
理系 PDF PDF PDF PDF PDF PDF

※表のリンクから解答用紙のPDFデータをダウンロードできます。



■サイズ■
 A3程度の大きさの解答用紙1枚に、縦約135mm、幅約8mmの大きさの解答欄が、問題に応じて1行~3行程度用意されているのが基本。大問ごとの詳細を以下に掲載します。

第一問(現代文)
 (一)~(四)はそれぞれ解答欄2行ずつで固定。(五)は例年「一〇〇字以上一二〇字以内で説明せよ」という問題なのでそれに合ったマス目のものに、(六)は漢字の書き取り問題のため二文字分程度×五問程度のマス目になっています。

第二問(古文)
 2007年以降、各設問に対し解答欄1行ずつ。以前は設問ごとに細やかに解答欄の行数が設定されていて、それに応じてどこまで書けば良いのか判断がつくようになっていたのですが、最近はどうにも“とりあえず一行”としたようにしか感じられない場面が多くなりました……余るとき余るわ足りない時足りないわ……。
 最近の設問数は、文系:現代語訳3問+説明等の問題4問、理系:現代語訳3問+説明等の問題2問といった感じ。

第三問(漢文)
 解答欄一行~二行半程度で、こちらは設問に対し解答欄の行数が古文より丁寧に検討されているように感じます。一問くらい抜き出し等で解答欄がイレギュラーなサイズになっていることもしばしば。
 設問数は文系5問、理系4問程度。

第四問(現代文)※文系のみ
 (一)~(四)まで、それぞれ解答欄2行ずつで固定。第一問の(五)(六)が無くなっただけのようなものです。


■特徴■
 解答形式でとりわけ特徴的なのは、一部の例外を除いて解答字数が指定されないこと。ただし、問題用紙の表紙の注意事項には例年次のように記載されています。

   解答は、一行の枠内に二行以上書いてはいけません。
   解答用紙の欄外の余白には、何も書いてはいけません。

解答欄一行に対する文字数は30~35字程度が標準的と言われていますので、二行なら実質60字~70字程度の指定があるようなものですが、特に現代文ではこれがかなり厳しい。「米粒のような文字でないと書き切れないような解答には余分な要素が含まれているはずだ」とは言われるけれど、それでも毎年多くの東大受験生がこの欄に収まるよう小さな文字を書くことに腐心しています。笑


■使い方■



 とにかく、上に挙げた注意事項は必ず守ってください。いかに米粒のような文字を書いても、ルール違反ではないので採点はしてくれるはずですが、欄をはみ出したり二行になってしまったりしたらそれで一発アウト。採点対象から外されると言われています。答案はいきなり解答用紙に書き出すのではなく、問題用紙の余白等で大枠を下書きし、文字サイズのペース配分を考えてから書くようにしましょう。

※ちなみに、上の画像は自分が受験したときの再現答案ですが、これだけ沢山の文字を詰め込んでも十分まとまった点が来ていました。


 その他、当たり前のことですが、日本語のルールはきちんと守ること。句読点を付ける、「なぜか。」という問いには「~から。」と答える、漢字は書き間違えない……ミス一箇所につき1点減点とも言われますが、東大入試に於いて1点は相当大きなものです。

 過去問を解く際には是非、上のPDFファイルをダウンロードして印刷し、実際に自分で書いてみることで書き方の感覚を掴んでください!

2015/12/7 石橋雄毅

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