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特集ブログ ~自身の合格体験を吐き出すだけのブログでは不十分~

 東大生や東大卒業生が、自身の合格体験を基にアドバイスをしているブログや書籍は数多くある。もちろん、有益なものも多い。
 ただし、実際に生徒指導をしていると、自身の東大合格体験はあくまでも一例でしかないことに気づく。生徒を東大に受からせるには、学科知識、教材・模試・過去問の活用法、受験戦略、学習方法のすべてを見直し体系化する必要がある。

 情報が氾濫する時代だからこそ、自身の合格体験を吐き出すだけのブログでは不十分。自らが東大合格体験者でもあり、東大受験専門の塾・予備校の講師として毎年、生徒を東大合格に導いているメンバーのみが運営する『東大入試ドットコム』の特集ブログです。

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2013/09/02
まだまだ暑いですが、秋に突入しました!みなさん、勉強の調子はいかがでしょうか。

今回は第三部ということで、長文問題集を紹介していきます。

■長文読解が合否のカギ■
これまでの2回で、単語・文法というどちらかといえば地味ですが欠かせないカテゴリーについて説明してきました。入試問題の中には、単語・文法の知識さえあれば解ける問題も多くありますが、そのほとんどは配点も低めで「落とさないようにする」というスタンスで取り組むのが一般的かと思います。一方、長文読解は大問1つの中に、単語や文法の穴埋めである空欄補充問題に加え、語句整序問題、内容一致問題などと幅広く問題が出題され、配点も大きいのが特徴です。ちなみにセンターの配点は、知識を要する第1、2問はだいたい60点、その他第3~6問の長文読解で140点を占めます。このことからも、長文でとれなければ合格は難しいということがわかるでしょう。


■本丸を攻めたい……■
さて、長文読解のための一番効率的な対策は、志望校に出題される問題と同じタイプの問題を解くことだと思っています。そうすると、東大に合格するためには「東大の過去問」や「東大模試の過去問」を解くのが最も手っ取り早い、ということになるのですがまだ英語が仕上がっていない人に対して、いきなり過去問を解けといっても無理な話でしょう。そこで、ステップを追って長文をトレーニングするための、参考書をいくつか紹介したいと思います。


■長文問題集・参考書■
「やっておきたい長文」シリーズ 河合出版
これは300、500、700、1000の4レベルに分かれています。(数字は長文の語数です。)300は初心者向け、500は中級者向け、700、1000は上級者向けといったところでしょうか。東大志望者であれば、9~10月の時点で700レベルの長文は読めるようになっておけるとよいです。余裕がある人は1000に突入しても構わないと思いますが、1000を極めるくらいであれば、過去問や、模試の過去問に進んだ方が効率的かもしれません。
このシリーズは、解説に段落ごとの全訳や単語などの知識が書かれており、解説が充実しているため、一人で学習できるような仕組みになっています。長文に苦手意識がある人はまずはこのシリーズから始めるのがおすすめです。

「東京大学への英語」駿台文庫
「入試攻略問題集 東京大学英語」河合出版
「東大入試プレ問題集」代々木ゼミナール

東大模試の過去問と解説が載っている問題集です。まずは駿台、河合、代ゼミから出されているものを紹介しました。東大模試のレベルとしては、駿台が難しめ、河合・代ゼミが標準から難しめ、といったところでしょうか。もしどれからやるか迷っている人はまずは河合から始めるのがよいと思います。
模試の過去問は必ずしも通しでやらなくてもよいと思います。苦手なパートや力を入れたい問題がある人は、大問ごとに時間を区切ってやるのもよいでしょう。自分でうまくカスタマイズして活用してみてください。

「東大の英語25ヵ年」教学社
東大受験生のバイブルのような存在となっている、25ヵ年シリーズですが、長文読解のためにもうまく活用できます。総合読解問題だけでも25問程度載っていますし、第1問の段落整序問題の前身である、読解問題も収録されています。東大模試の過去問もやりきり、あとは過去問でメンテナンスするのみ、という人はぜひ舐めるように25ヵ年を解いてみてください。

長文ということで、ここで第一問の要約、パラグラフ整序について触れておきます。この大問はある程度長文読解の力がついてきてから、「東大模試の過去問」や「25ヵ年」を使うのがもっとも効果的かと思います。要約は問題集もあるのですが、練習用としては難易度が高すぎるものが多いです。また段落整序を出題する大学は多くないので、そもそも市販の参考書があまりないということもあります。強いてあげると河合出版から各大問用の問題集が発売されていますので、それを用いて練習するのもありかもしれません。


■センター試験を活用する■
長文対策にセンター試験を活用する方法もあります。センター試験は前述の通り、3/4が長文読解問題となっています。センターはすべてマーク形式なので、記述の前の段階で詰まっている人は、センターで調整してみるのもよいでしょう。東大受験者は必ずセンターを受けることになるので、センターの対策もでき一石二鳥です。目安としては制限時間内に180/200を目指すとよいでしょう。
センターの過去問は直前にとっておくのが望ましいので、これも模試の過去問を使っておくとよいと思います。おすすめは河合出版か、Z会、代ゼミの過去問がおすすめです。得意な人には駿台がよいでしょう。


■とにかく過去問!■
長文対策は上でも述べましたが、「本物をやる」につきます。本物にある程度対応できるよう準備してからでないと意味がないので、まずは「外堀」を埋めることになるのですが、いつまでも外堀埋めに終始してはいけません。力がついてきた、具体的には問題集でコンスタントに7~8割くらいとれるようであれば、次のステップに進みましょう。焦りは禁物ですが、少しでも多くの過去問に触れておくのがおすすめです。
また長文読解でその基礎となる単語や文法に穴が見つかった人は、必ず冬に入る前につぶしておきましょう。冬はセンター対策に追われることが多く、落ち着いて勉強できる保証はありません。よく反省し、なるべく早めにつぶしておきましょう。





次回は9/6(金)に英作・和訳問題集について紹介予定です。あと2回ほどよろしくお願いします。

2013/09/02 武井靖弥
2013/09/02
 皆さん、こんにちは!
 今回はあの有名なGoogleの一員である、Matt Cutts氏のプレゼンテーションを題材にします!タイトルはTry something for 30 days.とのことですが、これはアメリカのモーガン・スパーロックという映画監督が手がけた、SUPER SIZE MEというドキュメンタリー映画にちなんでいます。この映画では1日3食マクドナルドの商品のみを食べて30日間生活するという体当たり的な実験を行い、その結果、見た目の変化はもちろん、各種検査数値も激変しました。
 30日間何かに挑戦することの意義やその有用性を説いてくれるMatt Cutts氏のプレゼンを詳しく聞いてみましょう!

     

⇒問題はこちら
2013/08/30
第5回 出典:東京大学前期 2004年 化学 第1問Ⅰ

 皆さん、こんにちは。悔いの無い夏は過ごせましたでしょうか。しかし勝負の夏が終わっても、受験勉強はまだ続きます。最後まで気を抜くことの無いように!


 科学は日進月歩の進化を遂げていますから、身の回りの大抵のことは既に調べ尽くされてしまっています。この地球全体として見ても、人間が普通に生活しているような空間で新事実や新種の生物が発見されるようなことは相当稀ですよね。では新たな生物は最近ではどこで見つかりやすいかと言えば、それこそアマゾン奥地の秘境だとか深海だとか、そういった極端な場所に絞られてくるでしょう。実験室で行われるような科学の研究もまた同じことで、やっぱり標準的な環境での事実より、超低温だとか強磁場下だとか、そういう極端な状況下での話の方がわかっていないことが沢山あると言われています。最近でも東大から2012年12月に『自然界で最も低密度の液体』と題された研究の発表がありニュースになりましたが、これも完全な2次元系における 2mK (=-273.148℃……殆ど絶対零度!)という超低温での発見で、いかに非日常的な世界の話が最先端で繰り広げられているかがわかるでしょう。

 裏を返せばそういった非日常的な環境をいかにして作るかが現代科学の発展のために大事な要素となるわけで、その中でも超高圧という非日常的な設定を作り出すための装置のひとつが、2004年の東大化学第1問Ⅰの題材となった「ダイヤモンドアンビルセル」です。

▲ダイヤモンドアンビルセル

※図は東大入試2004年化学より引用


 “圧力をかける”という操作に対して、物理選択者の生徒さんが真っ先に思い浮かべる道具としては「ピストン付きシリンダー」が挙がるでしょう。しかし通常の材質を用いたピストン付きシリンダーでは超高圧になると容器が圧力に耐えられず壊れてしまいますし、かといって頑丈な作りにしようとすれば内部の観察が難しくなるというジレンマもあります。
 そこでダイヤモンドの出番です。ご存じの通りダイヤモンドの硬度は他の追随を許しませんから(その理由は化学選択者ならば答えられなければなりません。グラファイトが脆い理由と合わせて確認しておきましょう)、図のように力を加えた際ダイヤモンドほど壊れにくいものはありません。また、透明なダイヤモンドは各種光線もよく通しますから、加圧時の内部の様子も比較的簡単に観測することができます。まさにうってつけの素材というわけですね。
 ただ、ダイヤモンドの大きさには限度があります。よってこの装置自体を大型化することができないのが欠点となりますが、実験室で百万気圧を超える超高圧を容易に作り出せるようになったことの科学の発展への寄与は決して小さくないことでしょう。例えば Fe は常圧では示さない超伝導を、高圧化では示すことが知られています。高圧が加われば物質を構成する原子間の距離が通常と変わってきますから、それが示す性質も通常のものとはやはり異なってくるのです。

 科学の研究というと、ひたすら理論をこねくり回したりだとか実験に次ぐ実験からデータを集めに集めたりだとかいった側面がクローズアップされがちですが、新たな実験装置・手法の開発もまた重要な位置を占める内容のひとつです。東大入試物理では1991年に出題されたフィゾーの実験や、大学で特殊相対論を学ぶとまず見ることになるマイケルソン・モーリーの実験などは本当によく考え付くなと感心しますし、そんな大袈裟なものでなくたって、化学の滴定操作や蒸留操作なども開発した人・今の形に改良した人はやはり賢いなあと思います。
 皆さんの中にも、受験勉強で蓄えた先人の沢山の賢い知恵を活かし、将来素晴らしい成果を上げる人がきっといるでしょう。月並みな言葉ですが、斬新で独創的な発想を生み出す頭は過去の知恵に揉まれる中で養われるのです。受験勉強が将来全くの無駄になることなんかありませんから、皆さんには今のうちに吸収できるエッセンスは吸収し尽くしてしまって欲しいものですね。それでは、また次回。

2013/08/30 石橋雄毅

2013/08/23
さて今回は第二部ということで文法書について紹介していきたいと思います。

■文法は入試問題を解くための基礎■
入試英語を突破するために単語が重要であることは、第一部ですでに述べました。基礎と言えばもう一つ、文法も挙げられるのではないでしょうか。皆さんもご承知の通り、日本語と英語は、語順など文法がまったく異なります。動詞と目的語の語順が逆になるだけならばいいのですが、倒置や省略、挿入といった、ともすれば言語一般的なものとして日本語と似通っているものもあります。このようないわゆる「特殊構文」は、読解するうえで気づかないと非常にやっかいな上に、文章中の語句整序問題としてもよく出題されます。ここで失点を防げると、高得点に近づくのでぜひとも文法をマスターしたいところです。


■「理解」と「定着」■
それでは文法の勉強の仕方についてですが、僕は文法をマスターするためには「理解」と「定着」というふたつの段階があると考えています。
まず「理解」についてですが、これは「なぜそうなるのかをわかる」ということです。抽象的になってしまったので、ここで問題例をみたいと思います。

問 次の二つの文の意味が同じになるよう、空欄に適語をいれなさい。
It is said that he lived in this town.
= He is said ( ) ( ) ( ) in this town.


簡単なので答えを言ってしまいますが、to have lived となります。
問題慣れをしていれば、空所の数からなんとなく答えがわかってしまう人もいるかもしれません。この問題のキーとなる文法事項は、「~と言われている」の書き換えと「時制のズレ」ということになりますが、この文法事項から答えに至るまでのプロセスをわかる=「理解」ということだと思います。
もうひとつの段階としてあげた「定着」ですが、東大受験者ならば上の文法事項から答えまでのプロセスを、参考書を見ずとも語れなければいけません。定着は「文法事項を自分で正確に説明できること」と言えるかもしれません。
時期の話をすると、高2の夏までに「理解」は終えておいて、そこから高3の春までに「定着」に持って行けるのが理想的です。今の時期に「理解」ができていない分野や事項がある受験生は、少なくとも夏が終わるまでにはつぶしておきましょう。


■参考書と問題集■
「理解」のためにはインプットが、「定着」のためにはアウトプットが必要です。それを可能にする教材として、前者には「文法参考書」、後者には「文法問題集」が必要です。そこで単語帳と同じく、それぞれおすすめの参考書を紹介したいと思います。

<文法参考書>
「総合英語Forest」桐原書店
現在第6版が刊行されています。カラー刷りで見やすいことに加え、文法事項もまとまっており、活用しやすいと思います。またコラムなどで、「強調構文と形式主語itの構文の見分け方」など頻出事項や、多くの人が苦手とする分野がまとまっているのもおすすめです。

「ロイヤル英文法」旺文社
文法マニアになりたい人におすすめです……、とおおげさな言い方ができるくらい詳しく書かれている本です。僕の高校時代の先生には「皆さんは文法学者になるわけではないので、Forestなどで十分だ」という言われ方をされたこともあります。(もっとも僕自身、最後はロイヤル英文法を使っていましたが……)初級者にはあまりおすすめしません。文法がある程度仕上がっていて、より深い理解を求めたい人におすすめです。

他にも「ブレイクスルー」「INSPIRE」などForestと同系統の参考書があります。内容自体にさほど変わりはないので、みなさん自身で、自分に合うもの、勉強しやすいものを書店で選んでみてください。

<文法問題集>
「NEXT STAGE」ピアソン桐原
「英語頻出問題総演習」桐原書店
上は、分野ごと(不定詞、関係代名詞など)に問題まとまっていて、下は分野に関わりなく問題がまとまっている問題集となります。初めは、分野ごとにまとまっている問題集を使って各分野を完成させたのち、分野横断型の文法問題集を使っていくのが理想です。上にあげたのはほんの一例なので、これも例によって書店で自分で見てもらうことになります。選ぶ目安としては総問題数が1000題前後あるものが理想的です。


■重要なことなので再び言いますが……■
第一部に引き続き、同じことを言わせてもらう形になりますが、文法についても「繰り返し」が重要になります。文法の最終目標は定着になるわけですが、文法問題集を1周しただけでは、定着と呼べる状態にはならない人がほとんどです。最低でも2周、欲を言えば3周しておきたいところです。これもいろいろな問題集に手を出すよりも、同じ問題集を繰り返しやる方が、頭に残りやすく効果的です。
加えて、単語もそうなのですが、センター試験第2問などのいわゆる文法問題を解く際には「反射」が重要になってきます。先ほどの問の所で「空所の数からなんとなく答えがわかってしまう人もいるかもしれません」ということを書かせていただきました。実はこれも大事なことなのです。文法事項を「定着」させるのはもちろんのこと、問題演習をすることで、解いた問題のストックを記憶としてためていきましょう。「和訳に頼らなくても文法問題は解ける」くらいになっていれば、文法としての合格ラインは近いでしょう。




次回は9/2(月)、長文問題集について紹介予定です。夏も終わりに近づいていますが、引き続き勉強をがんばってください!

2013/08/23 武井靖弥
2013/08/19
 皆さん、こんにちは!
 今回のプレゼンテーションはリチャード・セント・ジョン氏によるものです。彼は7年間にわたって500人以上のTEDの講演者に対してインタビューし、8つの成功の秘訣を見出しました。スライド中心なのでリスニングにはあまり適しませんが、今回のプレゼンを聞く前に是非こちらも聞いてみてください。 ⇒8 secrets of success
 成功するためにはこの8つの秘訣が大切ですが、成功してからも心がけるべき大切なことがあるようです。それが一体何なのか聞いてみましょう!



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