地理の参考書は日本史、世界史と比べて少ない、と言われます。書店でも日本史世界史と比べて地理の参考書が置かれている棚は狭いようにも感じます。
しかし、そんな中にも…
お久しぶりです、根本です。
今回から2回は地理の参考書について、扱っていきます。
地理の参考書は日本史、世界史と比べて少ない、と言われます。
書店でも日本史世界史と比べて地理の参考書が置かれている棚は狭いようにも感じます。
しかし、そんな中にも光る(?)参考書は存在します。そんな精鋭達をご紹介していきます。
■地理は短答+小論述
チレキ参考書第1部から5部に渡ってさんざん「東大地歴は論述だ!」という話をしてきましたが、地理に関してはそれが少し異なります。
問題を見ていただければ分かるのですが、東大地理は短答(記号選択含む)+30〜90(たまに120)字の論述、という問題構成になっています。日本史・世界史と比べると、論述×4や大論述といった「東大独自!」のインパクトは弱いかもしれません。
しかし一度問題を解いてみると、得点をきちんと取ることはそう簡単ではないことが分かります。
一言で言うと「制限字数が厳しい」のです。 例えば、30字制限の問題は冗長に書くとすぐに40~50字になってしまいます。そこを、内容を詰めながらグッとコンパクトにまとめる力。これが東大地理で求められる力と言えるでしょう。
まとめると、東大地理は「短答問題にきちんと答える」「コンパクトに論述する」ことがカギといえそうです。
■まずはセンター試験
短答問題といえばセンター試験(?)。ということで、対策もセンター地理対策から取りかかると良いでしょう。センター試験地理Bで90点が取れるレベルになるよう勉強をすすめていくことが第一ステップとなります。
まずはここに目標を絞り、参考書を紹介していきます。
■センター(&二次試験)入門書
以前は中経出版の『面白いほど…』シリーズが入門書としてはメインでしたが、近年他のシリーズもよく見かけるようになりました。
①瀬川聡『改訂版 センター試験地理Bの点数が面白いほど取れる本』(中経出版)
センター地理は理系学部志望生も受験します。このため、センター対策の参考書は分かりやすく概要をつかむことができるように作られています。この本はその代表格で、地形から産業まで、地理で押さえておくべき基本的なポイントを略しすぎず詳しすぎず説明しています。二色刷り(地図はフルカラー)や、行間が広く取ってあるといった読みやすい工夫がされており、余白も広いため書き込むスペースも確保されています。
各章末には1問ずつ、センター試験の過去問を使った確認問題が用意されています。
②山岡信幸『はじめからわかるセンター地理B』(Gakken)
引き続き、センター地理Bの勉強を始める人向けの参考書です。
構成やスタイルは大体似ていますが、①と比べると目次(項目)が大まかに区切られていること、章末の練習問題がやや多めなこと(各章3〜4問設けられています)が異なります。
③伊藤彰芳『みんなのセンター教科書 地理B』(旺文社)
こちらも同じくセンター地理B入門用の教科書。
各章の冒頭に「ゼロ講」と呼ばれる概説ページがあること、また記述が少し詳しめであることが特徴です。
④山岡信幸『山岡の地理B教室−大学受験地理』シリーズ(東進ブックス)
センター、二次試験問わず地理Bの入門書として幅広く使うことのできる参考書。
①〜③と比べて解説はやや詳しめです。part1,2に分かれており2冊で一セットになっています。
2001年初版販売と発売されてから年数が経っているためデータが古いことがあるのが玉に瑕ですが、筆者ブログ(http://geoyamaoka.blog86.fc2.com/ )で書籍の訂正・データ更新情報が紹介されているのでこちらも参考にしながら使ってみていただければと思います。
■センター試験の実践演習用
知識を問う単答問題に加えて統計資料や地図等の読み取り問題が多く出題される、これがセンター試験、二次試験を通じての地理入試問題の特徴です。
これらの問題に対応できるよう、センター試験を解くトレーニングも有効です。
⑤山岡信幸『センター試験のツボ 地理B』(桐原書店)
センター形式の問題を使って地理分野の知識を確認していく形の参考書です。
20年分のセンター地理過去問から問題を選び、単元ごとに並べられて(各単元10〜15問ほど)います。
全編問題形式のため一から、という方にはなかなか厳しいですが、解説が豊富なので学校や独習で地理分野の学習を一通り終えている方が知識の確認に使うのに適しています。
僕自身は、電車の中でセンター過去問の問題演習ができる本として重宝していました。
また、巻末にはデータボックスとして各種統計資料が付いています。
受験勉強終盤(センター、二次試験直前)に確認として使うのも良いでしょう。
参考書としては挙げませんが、地理学習の際に必ず手元に置いておきたいのが地図帳と統計資料。
参考書には省略されているデータ、また最新のデータを見るためにも最新年度版を持っておくようにしましょう。
次回は、地理論述のための参考書をご紹介します。