今回は2008年度入試を現在東大4年生のA君に書いてもらいました。大学入学後はそれほど英語に触れていなかったというA君、授業でのグループ発表に関する打ち合わせのメールへの返信という身近な問題に対処できるのでしょうか。
Ken からのメールに目を通して見ると、彼のプランでは一人が発表テーマに関する調査をし、もう一人がそれについてのちょっとしたレポートを書き、残りの一人がプレゼンテーションをする、ということになっています。うーん...三人がバラバラに別のことをするのは少し非効率的かも...ということで英作文の大まかな内容は
(1)三人が別のことをやるのって大変じゃない??
(2)みんなで一緒に発表の準備をしましょう!!
というような文章の流れになるのが一般的でしょうか。ただ、私が今まで指導してきた生徒の中には、
(1)地球温暖化やら高齢化社会やらのテーマはつまんないよ!!
(2)もっと面白いテーマについて発表しましょう!!
といった内容で解答する生徒が一定数いました。もちろんバツにはならないでしょうが、15~20字という制限の中で、なぜ Ken が提案したテーマよりも Yoshiko が新たに提案するテーマの方が優れていることへの理由付けをすることが難しく、内容的に薄くなってしまった答案が多かったように思います。やはり前者の方針の方が文意も通りますし、書きやすそうです。
■A君の答案(1)
「他人が書いたレポートに則ってプレゼンするのは難しい」という内容は文脈にピッタリですね。ただ、いくら文法的に誤りではないとは言え、“I think your plan is not good...” とバッサリ切り捨ててしまうのは気が引けます(笑)相手に言いづらいことだけど言わなきゃいけない...こんなときは
I'm afraid that... ・・・「残念ながら…です」
の構文を使ってあげるともっと上手い表現になるでしょう。“not good” の部分も、go wrong, not work, may fail 等々の表現で書き換えることが出来そうです。
以上よりA君の答案をブラッシュアップすると次のような英文が作れます。
I'm afraid your plan won't work because it's difficult to make a presentation based on the paper someone else wrote.
I'm afraid that... ・・・「残念ながら…です」
■A君の答案(2)
(1)の解答から続いて「3人で一緒にプレゼンの準備をしよう!」と提案する内容は良いですね。(2)の解答を作る上で注意したいのが、この英文が
So I would rather suggest that... という文の続きであることです。suggest は、
S1 suggest that S2 (should) do...・・・「(S1 が)S2は〜すべきだと提案する。」
といった形で使われます。propose や advise といった語も同様の形で使用されます。ここでの should は省略されることもありますが、その場合であっても動詞は必ず原形になるため、ここに三単原の s を付けたりしてしまうと減点されてしまいます。A君の答案ではしっかりと should を書いてありますね。
“目的”を表すためにA君は “in order to” を使っていますが、これは so as to や to 単体、so that を用いたりと、制限語数と相談して使い分けましょう。
A君の答案の内容を踏襲して以下のように他の解答例を作ってみました。
we all should cooperate in preparing the presentation in order to give a good presentation.
その他の解答例
(1)I think giving all member a separate role as you proposed is not best way to give a good presentation.
(2)we write the paper together and then help the person who will give a presentation practice.
2014/9/12 大澤英輝