受験対策

【Q&Q&A夏期特別編】Q10.「前期教養学部の2年間って有意義でしたか?」


これまで進学振り分け座談会の様子をお伝えしてきましたが、今回が最終回。最終回の今回は、4人に前期の2年間を振り返っていただきました。


Q10.検討編


Q10-1.「前期課程の2年間は有意義でしたか?」
東京大学の特徴的な制度は、前期課程の2年間で様々な科目を幅広く学び、後期課程の2年間で1つ決めた専門を深める、というものです。そのうち最初の2年間は今に生きていると思うか、聞いてみました。

Q10-2.「進学振り分けを意識して入学前からやっておいた方が良いことはありますか?」
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。主にこれから東大を志望する皆さんへのメッセージです。


Q10.回答編


Q10-1.「前期課程の2年間は有意義でしたか?」
−−−−−さて、何はともあれ皆さんは(大かた)前期課程の2年間を終えている訳ですが、今振り返ってみて前期課程の2年間は有意義でしたか?

K:後期課程が始まると毎日授業や実験に追われて結構大変です。それを考えると、前期課程の2年間は余裕があって勉強は勿論、それ以外のことも楽しめたかなと思います。サークルも天文鑑賞や自転車など、自分の関心のあることにチャレンジしてみたのですが良い経験になりました。

N:僕も勉強以外、特に色々な学部・分野に進む友達ができたことが大きかった気がします。大学1〜2年時に知り合った友達には同じ法学部に進んだ友達の他に医学部に行った人とか理系で研究者目指している人、今は古墳掘ったりしている人もいて、そういう人たちと出会えたのは大きかったと思います。

K:あ、あとは旅行行ったりとか映画見たりとかもう少ししておきたかった。特に海外旅行はあまり行く時間無いですね。

O:勉強面で有意義だったかどうかと言われると何とも言えないですね…大学1〜2年時の教養科目が今の専門に生きているかというとそんなことは無く、今の専門で使っている内容の基礎は専門に進んで1から勉強したって感じですね。理系は大学院進学が前提なので、学部1〜2年で色んなことやって学部3〜4年で専門基礎、大学院入ってから本格的に、というので全然構わないと思うのですが、専門始まったらすぐ就活・卒業というような人たちにとってはどうなんだろう…

N:僕も専門はもう少し早くから始まっても良いような気もします。あとは、大学4年の時に「前期課程の授業受けたい」って猛烈に思った時期がありました(笑)

O:さっきの語学とかそうですよね。

K:前期2年間で広く教養と呼ばれるものを勉強するのは良いと思います。ただ、僕自身はそれがきちんと身に付いたかと言われると自信は無いし、教養って何なのかはよく分からないですね…大学4年になって、じゃないですが「自分が今何をしたいのか」がはっきりしていないと十分には使いこなせない制度だなと思いました。

O:確かに、今は「自分が何したいのか」はある程度はっきりしているので、上手く使えそうな気がしますね。

S:周りに大学1年のときから院進学まで見据えている友達がいたのですが、その人は「教養課程使い倒した」って言ってましたね。

K:「入る時から考えとけよ」ってことかもしれないですが、それだと入学時に科類をざっくり分けているのは何なんだと、鶏卵になってしまう。

S:教養課程の現代教育論という授業で学んだ教養を使って答えてみると、教養というのは「市民として必要な最低限の知識」で、この教養課程の制度自体が日本の戦前の大学制度とアメリカの学部・大学院制度を混ぜて作られたものなんですよ。で、それが曖昧になっているのが課題という。方針自体は良いとは思うんだけど、制度としてどうしていくのかが色々と試行錯誤が続きそうですね。

N:おお(笑)最近は「体験活動プログラム」なるものがあって、それは「自分が何したいのか」を考えるきっかけになりそうですよね。

K:教養は自信ないですが専門でどんなことやるかのイメージをつけるのには役立った気がしますね。

O:確かに、「数学苦手だから工学部無理」って思っていたので、そのままだと工学部には進んでなかったかも。どんなことが要求されるのかが分かったので、ヘンに諦めること無く選べたのは大きかったです。

K:教養とはいえ、それぞれのテーマをもっと突っ込んで勉強できるとそれはそれで面白いのかもしれないですね。後は点数のプレッシャーを何とかして欲しい(笑)


Q10-2.「進学振り分けを意識して入学前からやっておいた方が良いことはありますか?」
−−−−−この記事をご覧になっている東大志望の方は早くても2017年度に進学振り分け(改称:進学選択)を経験することになる訳ですが、その方達にむけてメッセージをお願いします。

K:受験勉強が忙しいと難しいかもしれませんが、大学に入ってから、大学を出てから・・・と、先々の自分を想定して動くことは大事だと思います。受動的になってしまうとどうしても選択肢が限られてきてしまったり、何かに追われて動いてばかりになってしまったりと、目先のことばかりに囚われるようになってしまう気がします。あとは、フリーな時間に何をしたいか(オーロラを見に行く、国内を青春18きっぷで旅行する、部活に打ち込む…)おくと、入ってからの限られた夏休みなどの長期休暇を楽しめるでしょうし、勉強の気分転換にもなると思います!

S:学部に関する知識を色々と調べておくと入ってからやるべきことが分かりやすいから、ぜひ調べてみてください。後は語学大事。語学ができると進振りの点数的な意味で選択肢が広がります。ということでまずは英語(はじめ外国語)頑張ってください!

N:大学に入って分かったことは人生色々あるってこと。僕自身文系学部を出て今は全く違うことやっているし、知っている友達だけでも法学部出て医学部に入り直した人とか、文科一類から理学部物理学科行った人とか、卒号して働いた後に美術大学入った人がいます。調べたり考えたりするのも大事だけど、気負いすぎずに決めるべきときは「エイヤッ!」と決めて進むのが大事だと思います。

O:何はともあれ、まずは大学入試を突破する力が無いとどうしようも無いのは事実です。進学選択を考えるのはその後で!入学後に進学選択を活かすかどうかは自分次第。しっかり勉強して点数を取るのもよし、モラトリアムを謳歌するのもよし。自分の人生なので楽しんでください!


4名の皆さんどうもありがとうございました!

ここまで5回にわたり、大学1〜2年生での勉強での様子をお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか?少しでも大学生活のイメージが湧いていれば幸いです。
多くの学校では2学期が始まったことと思います。受験生にとってもそれ以外の方にとっても夏に頑張った成果を元に更に一皮むけるべく、これからも頑張って行ってください!

東大入試ドットコムでは今後も折りに触れて進学振り分け等の情報をお伝えしていく予定です。また、皆さんからの質問も受け付けておりますのでぜひお寄せください。


2015/09/01 根本

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