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入試英語攻略のための参考書 ― 第五部 リスニング ―

リスニングは、苦手な人でもまずは20/30の得点を目指しましょう。得意な人は26/30を安定して取れるようになると、戦略として計算がしやすくなると思います。これは決して不可能な数字ではありません。リスニングはやればやるほど力がついてくるものだからです……
これまで約1か月に渡って掲載してきた、英語参考書紹介も本日でついに最終回になりました。最終回はリスニングについて紹介していきたいと思います。


■30分間はリスニングに集中■
東大のリスニングは120分の試験の中で、30分間確実に時間が取られるうえ、配点も30点ほどあると思ってよいでしょう。帰国子女など、リスニングに絶対的な自信がある人は、1回目の放送でリスニングの解答を終了し、2回目が流れている間に英作などほかの問題を解く、という方法を使ったりもしていますが、大部分の人は30分間フルに使ってリスニングに取り組むことになるでしょう。リスニングはその30分の間でしか解くことができない上に、配点のこともあります。試験開始45分後からの30分間はリスニングに集中しておくべきだと思います。


■やればやるほどできるようになる■
リスニングは、苦手な人でもまずは20/30の得点を目指しましょう。得意な人は26/30を安定して取れるようになると、戦略として計算がしやすくなると思います。これは決して不可能な数字ではありません。リスニングはやればやるほど力がついてくるものだからです。僕自身、本番は推定26/30の得点でした。僕の友人で満点を取った人もいます。ちなみに彼は生まれも育ちも広島で、生粋の広島弁話者です。(笑)
海外生活の経験があって、あらかじめ耳が慣れている人には、確かにアドバンテージがありますが、それがない人でも太刀打ちできないことはありません。8割の得点率を目指して、やるだけやっていきましょう。


■毎日聴くこと■
リスニングの学習で重要なことは、「毎日聴くこと」です。量は問いません。30分でも10分でも構いません。毎日なんらかの形で英語を聴くことで、確実にリスニング力がついてきます。
一方でリスニング試験はただ英語を聴けるようになればよい、というわけではありません。リスニング試験は最終的には読解を要します。選択肢の吟味や問題ごとの切り換えなど、解き方の面でも練習しなければいけません。したがって、ただ英語を聴くだけではなく、実際に「問題を解く」ことが重要です。シャドーイングなど、耳を作るための練習法はいくつかありますが、耳が慣れてきたらできるだけ問題を解くようにすると、試験の対策として効果的になると思います。


■参考書■
学習の仕方を説明したところで、参考書を紹介していきます。

「キムタツの東大英語リスニング BASIC」アルク
おなじみキムタツシリーズになります。ここではあえてBASICを初めに紹介させていただきました。BASICは、ディクテーションを練習できるところが一番の魅力だと思っています。
BASICはExerciseとTrial Testに分かれています。前者がディクテーションメイン、後者が本番に倣った問題になっています。まだ耳が慣れていない人は、Exerciseをじっくりやることをおすすめします。何度もCDを聴くことになると思うので、英語に耳を慣れさせるという意味ではまたとない教材でしょう。


「灘高キムタツの東大英語リスニング」「キムタツの東大英語リスニング SUPER」アルク
耳が慣れてきたら上の2冊を進めていくとよいと思います。SUPERは上級者向けなので、最終的には「キムタツの東大英語リスニング」を解けるようになっておければ大丈夫だと思います。
「キムタツの東大英語リスニング」は、各セクションでパートが3つにわかれ、各パートに設問が5題ずつという、実際の東大の問題形式に合わせた構成になっています。僕は1日1パートを目標に学習していました。本番同様3パートで30分、すなわち1パートは10分あれば解ききることができます。解いた後20分復習に使うとすれば、一日30分の時間で1パート分を学習することができます。これを毎日続けていけば、耳もできてきます。参考にしてみてください。


「マーク式基礎問題集⑪英語[リスニング]」河合出版
センター試験向けの参考書になります。東大は、センターのリスニングは後期試験のみ必要とされますが、本番で26/30を目指す人がセンターで40/50を切るようでは話になりません。まだ長い英文を聴くことになれていない人は、まずはセンターのリスニングの勉強から始めると効果が高いです。
この問題集を終えてしまったら、駿台や河合から出ているセンター試験リスニング問題集をやるのもよいでしょう。


■最後に ―英語参考書の選び方― ■
この1ヶ月間、参考書を紹介してきましたが、一番よい参考書は自分に合った参考書だと思っています。もちろん志望校のレベルは考えなければいけませんし、各分野で王道と呼ばれる参考書もあります。しかしレベルが同じならば、どの参考書も書かれているポイントにあまり差はありません。そうなると選んだ参考書から、自分がどれほどのものを得たり、身につけられたりするかが勝負になってきます。それならば、自分の頭に入ってきやすかったり、勉強しやすかったりする参考書を使った方がいいと思いませんか?「自分で実際に参考書を見て、選ぶ」ということを大切にしてください。受験が終わったあとも、飾っておきたくなるくらいの参考書に出会えるといいですね^^





2週間後の9/30(月)からは、根本先生が社会の参考書について紹介してくれます。これからも勉強がんばってください!

2013/09/16 武井靖弥
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