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チレキ参考書 −第4部 世界史の試験・勉強法・参考書①−

「配点の多くを占める第一問は、歴史上の大きな流れを捉えることが重要だから、東大世界史の対策は歴史の流れだけを把握しておけばよい」と言われることがありますが、それだけに目がいってしまうとうまく点が取れません。実際に書いてみるとわかりますが、大きな流れを記述するとはいえ、具体的な因果関係や年代を知っていないとごまかしながらでしか書けないのです。……
みなさん、こんにちは!以前英語の参考書を紹介させていただいた武井靖弥です。

世界史・地理選択であったこともあり、今回は世界史の参考書について紹介していきたいと思います。よろしくお願いします!




■問題構成について■
まずは東大世界史の問題構成から、説明します。(すでに実際の問題を見たこと、解いたことがある人は読み飛ばしてくれても構いません。)

第一問:大論述
例年17~20行(つまり510~600字)以内の論述問題が課されます。基本的には、歴史の大きな流れを説明させる問題となり、具体的な事項というよりは抽象的な説明と流れの描写を求められます。

第二問:小論述
2~3行(つまり60~90字)以内の論述問題が6題前後出題されます。この問題は抽象的な説明というよりは、用語や出来事を詳述することが求められます。

第三問:用語問題
説明文を読んで、それに対応する用語を答える問題(10題程度)となります。

イメージをつかみたい人は、過去問を挙げておきましたので、参照してください。

配点は公表されていませんが、大体の認識としては
第一問:25~30点
第二問:20~25点
第三問:10点前後
といったところでしょうか。


■目玉は大論述。しかし…■
東大世界史の最大の特徴は、間違いなく第1問の大論述でしょう。500字を超える長い論述問題は、他の大学に類を見ません。(例えば京都大学は300字、一橋大学は400字です。)僕も高1で初めて問題を目にしたとき、絶望を覚えたことはよく覚えています。配点も半分弱あるので、対策にも時間を取られます。「配点の多くを占める第一問は、歴史上の大きな流れを捉えることが重要だから、東大世界史の対策は歴史の流れだけを把握しておけばよい」と言われることがありますが、それだけに目がいってしまうとうまく点が取れません。実際に書いてみるとわかりますが、大きな流れを記述するとはいえ、具体的な因果関係や年代を知っていないとごまかしながらでしか書けないのです。

■まずは第三問から■
そのため、東大世界史攻略のためには第二問、第三問も見据えた「知識の暗記」が伴ってきます。「知識の暗記」といってもマニアになる必要はありません。量とレベルで言えば、センター試験で満点をとれれば十分でしょう。二次、センターともに世界史を選択する人は、満点をとれるように対策しておきましょう。(結果として95~98点に落ち着けば大丈夫です。)
そこで今回は「知識の暗記」に焦点を当てて、参考書を紹介していきます。知識の暗記は問題演習でアウトプットをすることで効率よくできるので、問題集を中心に紹介していきます。

<基礎から固めたい人へ>
「詳説世界史スタンダードテスト」山川出版社
山川の世界史教科書である詳説世界史の問題集です。これが9割以上できるようになれば、世界史の基本的な知識は押さえられることになります。まだ知識が固まっていない人は2~3か月かけて3周解くことをおすすめします。まだインプットができていない人は、1回目実施→丸つけ→教科書の該当範囲を読む、用語集で調べるなど→2回目実施を1セットとしてやると良いです。

「よくでる世界史B一問一答重要用語問題集」山川出版社
上記山川の教科書の一問一答形式の問題集です。用語暗記や反射スピードに焦点を当てたい人、非受験生など勉強があまり進んでいない人におすすめです。

以上が世界史の基本的な問題集になります。まだ勉強が進んでいない人、基礎が抜けている人はこれらを使って進めていきましょう。
時に細かい知識が要求される私大入試の世界史でも、7割は基礎知識、1割が誰も知らないような難解な知識、2割が勝負を決める少し細かい知識、で構成されると言われています。私大を受けるうえでも重要な基本知識は早めに固めておきましょう。

<私大まで見据えた知識を入れたい人へ>
以下で紹介するのは残りの3割(少し細かい知識と難解な知識)を固めるための参考書です。

「実力をつける世界史100題」Z会出版
難解な知識も含め、空欄補充形式でチェックできる問題集です。これが9割マスターできれば私大入試にも十分対応できます。東大志望者は難解な知識にこだわりすぎず、流れを意識しながら解いていくとよいです。

「世界史のそのまま出るパターン一問一答」佐藤幸夫
一問一答形式問題集となります。収録されている知識は細かいものもありますが、その中でも試験によくでてくる知識が扱われていますので、山川の一問一答で物足りなくなってきたら、早めにこちらに転換することをおすすめします。

東大の第三問で点を取りきるためには以上の参考書をマスターしておくとよいでしょう。

<年代や文化史を鍛えたい人へ>
「元祖 世界史の年代暗記法」小豆畑和之
年代暗記の参考書です。この本はゴロ合わせで年代が覚えやすくなっているだけでなく、右ページに関連事項や経緯などが書かれているので、横のつながりや、歴史の流れを捉える必要のある東大受験生にはおすすめの本です。

「佐藤の世界文化史一問一答」佐藤幸夫
覚えにくく手薄になりがちな文化史をゴロなどで覚えやすくまとめてあります。隙間の時間を使って学習できます。

分野別の問題集は書店で自分に合いそうなものを見るのがベストですが、参考にしてみてください。




次回は第一問、第二問の論述対策向け参考書を紹介予定です。ご期待ください。

2013/10/28 武井靖弥
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