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旺文社『大森徹の生物 遺伝問題の解法』

生物の中でも、遺伝は他の分野に比べて毛色の異なる特殊な分野である、という見解は誰もが持っていることと思います。確かに、遺伝分野は他にはない独特な考え方をする考察問題が多く見られます。この理由から、「生物の中でも遺伝分野は一番苦手です」という人も多いのではないでしょうか。...
 生物の中でも、遺伝は他の分野に比べて毛色の異なる特殊な分野である、という見解は誰もが持っていることと思います。確かに、遺伝分野は他にはない独特な考え方をする考察問題が多く見られます。この理由から、「生物の中でも遺伝分野は一番苦手です」という人も多いのではないでしょうか。
 しかし、それではもったいない!なぜなら、遺伝分野の問題を解くうえで必要な考え方のパターンは限られており、それを修得すれば「遺伝分野は生物のなかで一番の得点源になりうる分野だから」です。しかも、東大生物では遺伝問題は頻出の範囲です。得意にしておくべき分野であると言えます。
 この参考書は、そんな遺伝分野を基礎から丁寧に学ぶことができるため、遺伝分野を苦手とする初学者向けの参考書となっています。

 本書は6つの章から成っており、基礎から応用まで幅広く対応しています。第1章は本当に基礎の基礎で、「遺伝ってなに?」「染色体の動き方とか正直よくわからない」という初学者に向けて、豊富な図を駆使してひとつひとつ丁寧に解説してあります。第2章~第5章では、二遺伝子雑種から始まり、アカパンカビの遺伝や胚乳の遺伝など、様々な遺伝様式についての各論が続きます。最後の第6章で、遺伝の総合問題を演習し、力試しをしながら定着を図るという構成になっています。

 各章にはポイントを絞った問題が随所に載っていますが、問題量としてはそこまで多くないため、お手軽に取り組める参考書だと思います。(頑張れば一日で終えられるでしょう!)遺伝が苦手だという人にはオススメの参考書です。しかしこの参考書のみでは演習量の確保は難しいため、一通り学習し終わったら別の問題集や過去問等で演習を積むとさらなる実力アップにつながると思います。
 最後にもう一度言いますが、遺伝分野は得意にすべき分野です!頑張ってください!



2016/8/18 宮崎悠介

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