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入試英語攻略のための参考書 ― 第二部 文法 ―

入試英語を突破するために単語が重要であることは、第一部ですでに述べました。基礎と言えばもう一つ、文法も挙げられるのではないでしょうか。皆さんもご承知の通り、日本語と英語は、語順など文法がまったく異なります。動詞と目的語の語順が逆になるだけならばいいのですが…
さて今回は第二部ということで文法書について紹介していきたいと思います。

■文法は入試問題を解くための基礎■
入試英語を突破するために単語が重要であることは、第一部ですでに述べました。基礎と言えばもう一つ、文法も挙げられるのではないでしょうか。皆さんもご承知の通り、日本語と英語は、語順など文法がまったく異なります。動詞と目的語の語順が逆になるだけならばいいのですが、倒置や省略、挿入といった、ともすれば言語一般的なものとして日本語と似通っているものもあります。このようないわゆる「特殊構文」は、読解するうえで気づかないと非常にやっかいな上に、文章中の語句整序問題としてもよく出題されます。ここで失点を防げると、高得点に近づくのでぜひとも文法をマスターしたいところです。


■「理解」と「定着」■
それでは文法の勉強の仕方についてですが、僕は文法をマスターするためには「理解」と「定着」というふたつの段階があると考えています。
まず「理解」についてですが、これは「なぜそうなるのかをわかる」ということです。抽象的になってしまったので、ここで問題例をみたいと思います。

問 次の二つの文の意味が同じになるよう、空欄に適語をいれなさい。
It is said that he lived in this town.
= He is said ( ) ( ) ( ) in this town.


簡単なので答えを言ってしまいますが、to have lived となります。
問題慣れをしていれば、空所の数からなんとなく答えがわかってしまう人もいるかもしれません。この問題のキーとなる文法事項は、「~と言われている」の書き換えと「時制のズレ」ということになりますが、この文法事項から答えに至るまでのプロセスをわかる=「理解」ということだと思います。
もうひとつの段階としてあげた「定着」ですが、東大受験者ならば上の文法事項から答えまでのプロセスを、参考書を見ずとも語れなければいけません。定着は「文法事項を自分で正確に説明できること」と言えるかもしれません。
時期の話をすると、高2の夏までに「理解」は終えておいて、そこから高3の春までに「定着」に持って行けるのが理想的です。今の時期に「理解」ができていない分野や事項がある受験生は、少なくとも夏が終わるまでにはつぶしておきましょう。


■参考書と問題集■
「理解」のためにはインプットが、「定着」のためにはアウトプットが必要です。それを可能にする教材として、前者には「文法参考書」、後者には「文法問題集」が必要です。そこで単語帳と同じく、それぞれおすすめの参考書を紹介したいと思います。

<文法参考書>
「総合英語Forest」桐原書店
現在第6版が刊行されています。カラー刷りで見やすいことに加え、文法事項もまとまっており、活用しやすいと思います。またコラムなどで、「強調構文と形式主語itの構文の見分け方」など頻出事項や、多くの人が苦手とする分野がまとまっているのもおすすめです。

「ロイヤル英文法」旺文社
文法マニアになりたい人におすすめです……、とおおげさな言い方ができるくらい詳しく書かれている本です。僕の高校時代の先生には「皆さんは文法学者になるわけではないので、Forestなどで十分だ」という言われ方をされたこともあります。(もっとも僕自身、最後はロイヤル英文法を使っていましたが……)初級者にはあまりおすすめしません。文法がある程度仕上がっていて、より深い理解を求めたい人におすすめです。

他にも「ブレイクスルー」「INSPIRE」などForestと同系統の参考書があります。内容自体にさほど変わりはないので、みなさん自身で、自分に合うもの、勉強しやすいものを書店で選んでみてください。

<文法問題集>
「NEXT STAGE」ピアソン桐原
「英語頻出問題総演習」桐原書店
上は、分野ごと(不定詞、関係代名詞など)に問題まとまっていて、下は分野に関わりなく問題がまとまっている問題集となります。初めは、分野ごとにまとまっている問題集を使って各分野を完成させたのち、分野横断型の文法問題集を使っていくのが理想です。上にあげたのはほんの一例なので、これも例によって書店で自分で見てもらうことになります。選ぶ目安としては総問題数が1000題前後あるものが理想的です。


■重要なことなので再び言いますが……■
第一部に引き続き、同じことを言わせてもらう形になりますが、文法についても「繰り返し」が重要になります。文法の最終目標は定着になるわけですが、文法問題集を1周しただけでは、定着と呼べる状態にはならない人がほとんどです。最低でも2周、欲を言えば3周しておきたいところです。これもいろいろな問題集に手を出すよりも、同じ問題集を繰り返しやる方が、頭に残りやすく効果的です。
加えて、単語もそうなのですが、センター試験第2問などのいわゆる文法問題を解く際には「反射」が重要になってきます。先ほどの問の所で「空所の数からなんとなく答えがわかってしまう人もいるかもしれません」ということを書かせていただきました。実はこれも大事なことなのです。文法事項を「定着」させるのはもちろんのこと、問題演習をすることで、解いた問題のストックを記憶としてためていきましょう。「和訳に頼らなくても文法問題は解ける」くらいになっていれば、文法としての合格ラインは近いでしょう。




次回は9/2(月)、長文問題集について紹介予定です。夏も終わりに近づいていますが、引き続き勉強をがんばってください!

2013/08/23 武井靖弥
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