【対談その2】慶早進学塾の塾長に聞く、入試直前の過ごし方
2020.01.22
こんにちは!東大入試ドットコム 編集長の林です。
センター試験が終わり、二次試験も近づいてきましたね。
今回は、東大をはじめとした難関大学に合格者を輩出し続ける「慶早進学塾」代表の鴨井さんと、入試直前の過ごし方について対談しました。
貴重な話がてんこ盛り。動画も載せてありますのでぜひご覧ください!
林 東大入試ドットコムをご覧をみなさま、こんにちは!編集長の林です。今回も前回に引き続き独学、そしてそれに加えて入試直前期の勉強やメンタルについてお話していこうとおもいます。今回もゲストお招きしております。慶早進学塾の鴨井さんです。よろしくお願いします。
鴨井 慶早進学塾の塾長鴨井です。お願いします!
慶早進学塾とは
林 まず自己紹介もかねて慶早進学塾がどういう塾なのか教えていただいてもよろしいですか。
鴨井 参考書を通じた自学自習を元にしている塾。週に1回の指導で勉強のやり方、週2回のケースもあるんですけど、勉強のやり方を徹底的に教え込んで、勉強の進捗を管理したりとか、いわゆる授業を行うスタンスの塾ではなくて、やり方をしっかりと習得して量を、勉強する量を確保してもらう。それを通じて進めていく中で、特にうちの強みなのが、ある程度勉強進んでいたら、その子の陥ってしまっているまずいポイントとかが出てくるじゃないですか。それがメンタル面であったりとか。やり方とかその辺りは徹底的に最初に教え込んでるので、そこで失敗につながることはないんですけど、。勉強を通じてその子の根本的な問題を解決することによって、成績も引き上げていきながらも、最終的には完全に自立して、自分の目標に対して歩みを進められるような、そういう子の育成を目指して指導させてもらってます。
林 ふつうの塾とか予備校だと板書とかして授業するイメージがあるんですけど、ふつうの意味での授業はそんなにしないってことなんですか?
鴨井 基本的にはしないですね、たとえば高校生の場合であれば、平日や土曜日に既に学校で授業を受けなきゃいけない状況で、そこから追加して授業を受けるってなったら、果たしていつ自分の身になるような勉強をすればいいの? っていう話にもなってきますし。一方で浪人生の場合であれば、高校3年間で一通り受けなきゃいけない授業を覚えているケースが大半なので、どっちのケースでも「そんなに授業って要らないよね」って風に考えてます。
林 指導の内容としては、メンタル面と、あとは質問対応とかが多くなるんですかね?
鴨井 個人的には質問対応にそんなに価値を見出していなくて。よく塾とかで「いつでも質問できるんですか?」って聞かれて、実際できるんですけど。毎日質問対応できる講師が、各校舎にいたり。オンラインコースの場合であれば担当の講師に質問を飛ばせる状況ではあるんですけど、質問対応を通じて成績が伸びるかって言われたら正直怪しいと思ってて。それよりも、どういう風にやって、どのくらいの分量をやりこめば成績が上がるかっていう、そこにもっとコミットしたほうがいいという風に思っているので。質問対応を通じて成績を上げるっていうイメージではないですね。
林 なるほどですね、おもしろいですね。「オンラインコース」とのことでしたけど確か校舎は岐阜とかにあるんですよね?
鴨井 岐阜と大垣と横浜の中山に校舎があって、岐阜大垣が基本的にはメインなんですけど、そこ以外の子たちがオンラインコースに入ってるような形です。
林 例えばこれをご覧の東大受験生のみなさまもオンラインコースを受講することは可能?
鴨井 もちろんですよ!
難関大合格者が出るわけ
林 このインタビューの前に、慶早進学塾の合格実績を拝見したら、すごいですね。早慶とか毎年合格者でてますし、東大とかけっこう難関大、、これをご覧のみなさまの志望大学とかも合格者がたくさん出てて、正直すごいなと思ったんですけど、ガンガン授業するとかじゃないのに、どうして早慶とか難関大学に合格できるようになるんですかね?
鴨井 例えば、このサイトや動画を見てくださってる方って、東大志望の方だったり、難関大を目指す人たちの方が多いと思うんですよ。勉強自体はそれなりにみんなきっとできるでしょうし、ある程度の成績はもってらっしゃる方々がすごい多いと思うんです。ってなった時に、どういう部分をクリアして確実に受かっていくかを考えたら、勉強量だったり、やり方の面はもちろん矯正はしていくんですけど、それ以上に、考え方のところで、どうして君の考え方だったら結果がついてこないのかっていうのを分かってもらったりとか、模試とかで立て続けにいい成績をとってるにもかかわらず、なかなか本番大事なところで結果が出ないのはなぜかっていうのに気付いてもらったりとか、そういうところの指導はかなりやりますね。
林 授業をしてるから成績が伸びるとかそういう話ではなくて、その人が、「なんでこんな不調なのか」とか「一見好調だけど本番でうまくいかない」とか、そういうのにフォーカスしているからこそちゃんと結果がでているという感じ。
鴨井 そこで勉強しながらももちろん勉強も重要なんで実際に勉強していく中で、「あ、ここがダメだったんだ!」っていうところに気付くことができたら、勉強ももちろんそうだし、それ以外の分野でも成果が出せるようになるんですよ。そういう本質的なところ普遍的なところをしっかり見るようにはしています。
弱みを克服し、合格できた例
林 ちょうど入試前の時期ということもあって、ご覧の方々も自分の進路とか大学の合不合とかすごい気になる時期ではあるんですけれど、実際に慶早進学塾を出て難関大に合格された生徒で、自学自習とかを通じて逆転合格できたとか苦手を克服できた事例を教えてほしいんですけど。
鴨井 面白いのが2年前ぐらいの生徒なんですけど、僕慶応出身なんです。同じく慶応に通ってて、東大を諦め切れなくて、仮面浪人する子が昔うちの塾に入ってくれたことがあって。彼は東大模試とかだったら基本的に全部A判定なんですよ、なんだけれども本番でなかなか噛み合わなくて受からなかったケースが実際に過去にあって。その子に関しては、勉強面でまずい点はあったのでその部分を修正しながらも、常に「こういう部分で足りてなかったからこういう状況になってるんだよ」っていうところを気づいてもらえるような指導はしてきました。なのでその年に実際に東大に合格できて。今まで本番になると気負ってしまうっていうのがやっぱりあったみたいで。模試に比べると極端に点数が下がるみたいな、そういうところがあったところを改善することができて、無事に東大に受かりましたね。
林 逆に秋口とかまですごく成績が悪かったけどガン伸びして合格したみたいな子っていますか?
鴨井 おもしろい例ありますけど、例えば昔の子で、現役の子だったんですけど、センター系の模試で最後まで8割くらいしか取れてなかったんだけど、直前1か月で100点以上伸ばして、センター利用で早稲田政経受かったりとか。
林 直前期に伸びる人ってどういう人なんですかね?
鴨井 基本的にはすごいポジティブな人。自分やってきたことに自信を持ってたり、自分落ちるわけないよね! みたいな前向きな気持ちを持ってて、前向きに勉強を重ねてる子って最後に急激に伸びてきやすい。例えば浪人生が「直前期になかなか伸びない」って言うじゃないですか。あれって浪人だから伸びないわけではなくて、最後本番が迫ってくればくるほど気持ちで負けるんですよ。受験をはやく終えたい気持ちだったりとか、最後急激に伸ばすことに意識がいかないで、勉強量自体も春夏に比べたら失速してしまったりとか、そういうことがあるから伸びないっていうだけで。
入試直前期の過ごし方
林 直前期の過ごし方に関連してくると思うんですけど、今ちょうど(センター試験とか)二次試験も迫るなか、「どういう風に過ごしたらいいんだろう?」って焦る人も多いと思うんですよ。直前期は「こういう心持ちで」とか「こういう勉強をすべき」とか、ありますか?
鴨井 勉強に関しては新規の過去問演習とこれまでの復習を半々くらいでバランス良くっていうことは常にこの時期生徒には伝えていて。一方でそんなに派手なことはやる必要はないと思うんですよ。これまでの延長線上に今があるわけだから、直前期だからといって急激にやることを変える必要はないし、むしろ、そこを変えてしまう人って過去の自分を否定してるようなものですから、そういうタイプの子ってなかなか厳しいなっていう風には思います。
林 自分の受験期とかも思い出しますけど、直前期になるとなかなか焦っちゃって日頃それまで毎日英単語の勉強してたのが、急に止めて過去問演習だけになっちゃったりとかやっぱりそういうのはよくない?
鴨井 基本的にはこれまでやってきたことの延長線上で、直前期はこれまでやってきたことをもう一回復習して知識状態を最高にしとかないといけないので、そこの復習は徹底しないといけないっていうところと、復習だけだと新規の問題に触れないのでカンが鈍るという可能性はあるので、そこのバランスをいい状態に保つということが重要かなと。
林 メンタルの面でいうと直前期とかは焦りとかもあるので、逆にパフォーマンスが落ちたりとか。不思議なもんで直前になると勉強ができなくなっちゃうことあるじゃないですか?
鴨井 間違いないですね。
林 そういうのって、どうすれば避けられるというかどうしたら集中できるんですかね?
鴨井 人によってタイプがあって様々なので一概にはいえないんですけど、本番に弱いっていうタイプって一定数いるじゃないですか?よくその子に話すのは、過去に対する執着と未来に対する不安があって。例えば過去に対する執着であれば「模試で結果がとれなかった」とか「こんな自分のこんな勉強で大丈夫なのか」っていうそういったところから、なんかもう自分はダメなんじゃないかみたいな感じで自分自身を否定してしまったりとか。あとは未来に対する不安は分かりやすくて「ホントに自分受かってるんだろうか」みたいな。でもそういった考えって、目の前のやんなきゃいけないことと全然関係のない話。例えば本番試験中で前の科目で失敗してしまったとするじゃないですか。失敗しちゃってこの次の科目で「こんだけ点を取らなきゃいけない」とか「この科目得意だから絶対に外せない」みたいな「~しなきゃいけない」みたいなそういう考え方をして気負ってしまって失敗するパターンがすごく多くて。試験中なんかは、目の前の問題を制限時間内で必死に解く、そこだけに専念してればいいはずなんですよね。なんだけれども、直前期に不足してしまったりとか、本番に弱いタイプの子っていうのは、諸々の要因があるんですけど、突き詰めて考えると、今目の前のことに集中できない、だからダメになってしまう。
林 過去に対する執着。
鴨井 未来に対する不安。
林 けっこう勉強になりますね。試験は点数ではかられるわけですから、これまでの気持ちとかどうでもよくて、今は点数で評価されるから点数を最大にするためにとにかくがんばればいい。
鴨井 そもそも結果ってあとからついてくるものなんですよ。例えば入試問題であれば制限時間内に必死に問題と解答を合わせていくと。記述であれば、自分が思っている答案を作っていって、試験が終わって、終わったあとに実際に評価されて結果が決まってくる。それを後から知るわけじゃないですか。試験中に結果のこと考えるのは本末転倒で。試験中に結果を考えたからといって、自分が望んでる結果って得られないじゃないですか。今その瞬間にやるべきことではないので、なのでそこは履き違えないでほしい。
東大受験生へのメッセージ
林 というわけで独学とか直前期の勉強や過ごし方について色々お伺いしてきました。とても有益な話が多かったと思います。鴨井さん最後にこれをご覧の東大受験生のみなさまに応援のメッセージお願いできますか。
鴨井 僕東大でもないですし、なんなら2年浪人しているんですよ。けっこう受験で苦労してきた方だったなと今振り返って思うんですけど。受験ってなんだかんだ言って、最後は入試の本番日が終わってしまえば、一応自分自身の悩みってある程度解決するじゃないですか。そういうところで、時間が解決してくれるっていうところありますし。やったらやった分だけ成果は当然反映されやすいところだと思うんで、あんまり先のことに対する不安だったりは感じすぎず、やっぱり今目の前のやらなきゃいけないことに集中してほしいなっていうところと、「結果を出さなきゃ結果を出さなきゃ」と欲を出してしまうと、流れが悪くなってしまうので、そこは気を付けてほしいっていうところですね。楽しみながら勉強してもらえたらと思ってます。
林 本当に貴重なお話ありがとうございました。ということで今回は、慶早進学塾の鴨井さんと独学や直前期の過ごし方についてお話しました。入試も間近でございます。引き続きみなさん勉強がんばってください。それでは今回は以上です。
慶早進学塾について
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