【入試情報】#03 東大入試の選抜方法と入試科目

入学者の選抜方法

このページでは、2026年度(2026年春入学)の受験生向けに東大の入試(一般選抜)に関して、その入試科目を見ていきます。

入学者の選抜は、主に「共通テスト」と「第2次学力試験」(以下、2次試験)により行われます。

「足切り」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
過去問を見たことのある方ならお分かりかと思いますが、東大の2次試験は全て記述式です。2次試験において、受験生は全精力を傾けて学習の成果を答案用紙に書き込むのですが、その総量はA3用紙10ページ分以上にもなります。
大学側としても本当は志望者の答案1枚1枚を丁寧に評価したいのですが、全志望者の答案を見ると際限がなくなってしまいます。このため、毎年1月に行われる共通テストの成績によって第1段階選抜が行われ、2次試験を受験できる人数が絞り込まれます。この第1段階選抜のことを、通称「足切り」と呼んでいます。

第1段階選抜では、各科類の募集人数の2.3〜3.0倍まで絞り込まれ、その基準は科類ごとに定められています。

※2026年度入試から、理科三類にて第1段階選抜の基準値が引き下げられることが発表されています。

(参考)第1段階選抜の選抜倍率と選抜人数の目安

文科一類約2.5倍1000人程度(募集人数401人)
文科二類約2.5倍880人程度(募集人数353人)
文科三類約2.5倍1170人程度(募集人数469人)
理科一類約2.3倍2550人程度(募集人数1108人)
理科二類約3.0倍1590人程度(募集人数532人)
理科三類約2.8倍270人程度(募集人数95人※)
※理科三類の募集人員増(95人から97人)について、文部科学省への認可申請中につき、今後の変更があり得る。

第1段階選抜を突破した受験生は、2月下旬に行われる2次試験を受験します。この2次試験に合格した人が「合格者」となります。

まとめると、

①共通テストによる第1段階選抜
②第1段階選抜を突破した受験生を対象とした2次試験

の2段階を経て東大の入学者は選抜されている、ということになります。

※志望者数が、第1段階選抜の選抜倍率を超えない場合は、第1段階選抜が行われないこともあります(志望者全員が2次試験を受験できます)。近年第1段階選抜が行われないことが度々あり、話題となっています。

入試と入試科目

以下、各試験について、詳しく見ていきます。

共通テスト

大学入学共通テストは、毎年1月中旬に行われます。
東大2次試験を受験するには、文科は6教科(7教科)8科目、理科は6教科8科目を受験する必要があります。共通テストの成績は1000点満点中の得点を110点満点に換算し、2次試験の得点と合わせて合否判定に用いられます。各科における共通テスト受験科目は、以下のようになっています。

文科各類(6教科(7教科)8科目)[配点合計1000点]

教科科目科目選択の方法配点
国語「国語」必須200点
地理歴史 「地理総合,地理探求」
「歴史総合,日本史探求」
「歴史総合,世界史探求」
左の5科目の内から2科目を選択
ただし、「公共,倫理」及び「公共,政治・経済」の2科目を選択することはできない。
公民から1科目選択する際は,地理歴史から1科目を選択する必要がある。
200点
公民「公共,倫理」
「公共,政治・経済」
数学「数学Ⅰ,数学A」必須200点
「数学Ⅱ,数学B,数学C」 必須
理科「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」
「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
左の基礎を付した科目を選択(4つの出題範囲から2つを選択解答)
ただし、 「基礎を付していない科目」を2科目選択した場合には,「基礎を付した科目」を選択したものとみなす。(注1)
なお、理科の時間において「基礎を付した科目」を含め2科目選択した場合は、第1解答科目の成績を合否判定に利用する。(注2)
100点
外国語「英語」
「ドイツ語」
「フランス語」
「中国語」
「韓国語」
左の5科目のうちから1科目を選択200点(注3)
情報「情報Ⅰ」必須100点
(注1) 「基礎を付した科目」とは,「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」を指す。
「基礎を付していない科目」とは,「物理」,「化学」,「生物」,「地学」を指す。
第1解答科目として、「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」と、第2解答科目として、「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4科目の中から1科目を選択した場合には、「基礎を付した科目」を利用する。
(注2) 「理科」の試験時間に2科目を受験した場合において、前半の60分間で解答した科目を第1解答科目、後半の60分間で解答した科目を第2解答科目という。
なお、「理科」の試験時間において「基礎を付した科目」と、「基礎を付していない科目」のいずれかを選択する場合には、「基礎を付した科目」を第1解答科目にて選択すること。たとえ、第2解答科目で「基礎を付した科目」を受験しても第2次学力試験を受験できない。
(注3)  外国語の「英語」は,「リーディング」100点,「リスニング」100点,計200点満点を「リーディング」140点満点,「リスニング」60点満点に換算して使用する。(※)
(※) 聴覚障害等により「リスニング」を免除された者は,「リーディング」を200点満点に換算し,「英語」以外の外国語を選択した者は,筆記(200点満点)の成績を利用する。

理科各類(6教科8科目)[配点合計1000点]

教科科目科目選択の方法配点
国語「国語」必須200点
地理歴史 「地理総合,地理探求」
「歴史総合,日本史探求」
「歴史総合,世界史探求」
左の5科目のうちから1科目を選択
なお、地理歴史及び公民の試験時間において2科目を受験した場合には、第1解答科目の成績を合否判定に利用する。(注1)
100点
公民「公共,倫理」
「公共,政治・経済」
数学「数学Ⅰ,数学A」必須200点
「数学Ⅱ,数学B,数学C」必須
理科「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
左の4科目のうちから2科目を選択200点
外国語「英語」
「ドイツ語」
「フランス語」
「中国語」
「韓国語」
左の5科目のうちから1科目を選択200点(注2)
情報「情報Ⅰ」必須100点
(注1) 「地理歴史、公民」の試験時間に2科目を受験した場合において、前半の60分間で解答した科目を第1解答科目、後半の60分間で解答した科目を第2解答科目という。
なお、第1解答科目で東京大学が指定していない科目を受験した場合には、たとえ第2解答科目で東京大学が指定する科目を受験した場合でも、第2次学力試験を受験できない。
(注2)  外国語の「英語」は,「リーディング」100点,「リスニング」100点,計200点満点を「リーディング」140点満点,「リスニング」60点満点に換算して使用する。(※)
(※) 聴覚障害等により「リスニング」を免除された者は,「リーディング」を200点満点に換算し,「英語」以外の外国語を選択した者は,筆記(200点満点)の成績を利用する。

2次試験(前期日程)

2次試験は2月下旬に行われ、2日間に渡り4教科の試験が行われます。(理科三類の受験生にはさらに1日試験日が設けられ,面接試験が課されます。)
2次試験科目と配点は、以下のようになっています。

文科各類

教科科目配点(時間)
国語現代の国語,言語文化,論理国語,文学国語,国語表現,古典探求120点
(150分)
数学数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学A,数学B,数学C80点
(100分)
地理歴史日本史探求,世界史探求,地理探求の3科目のうちから、出願時に届け出た2科目120点
(150分)
外国語(1)英語
※英語試験の一部に聞き取り試験を行う(30分程度)
(2)ドイツ語
(3)フランス語
(4)中国語
のうち,出願時に届け出た1外国語
ただし,英語の選択者に限り,英語の問題の一部分に代えて、他の外国語(ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語)のうちから一つの外国語を試験場において選択することができる。
なお,ここで選択できる外国語のうち,ドイツ語,フランス語,中国語の問題は,出願時に当該外国語を選択した者が解答する問題の一部分と同じものである。
120点
(120分)
※数学の出題範囲は,以下の通りである。
数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Aは全範囲から,数学Bは「数列」「統計的な推測」から,数学Cは「ベクトル」から出題する。

理科各類

科類教科科目配点(時間)
理科一類・
理科二類・
理科三類
国語現代の国語,言語文化,論理国語,文学国語,国語表現,古典探求80点
(100分)
数学数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学A,数学B,数学C(※1)120点
(150分)
理科「物理基礎・物理」,「化学基礎・化学」,「生物基礎・生物」,「地学基礎・地学」
の4科目のうちから,あらかじめ出願の際に届け出た2科目(※2)
120点
(150分)
外国語(1)英語
※英語試験の一部に聞き取り試験を行う(30分程度)
(2)ドイツ語
(3)フランス語
(4)中国語
のうち,出願時に届け出た1外国語
ただし,英語の選択者に限り,英語の問題の一部分に代えて、他の外国語(ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語)のうちから一つの外国語を試験場において選択することができる。
なお,ここで選択できる外国語のうち,ドイツ語,フランス語,中国語の問題は,出願時に当該外国語を選択した者が解答する問題の一部分と同じものである。
120点
(120分)
理科三類面接個人面接(※3)
※1 数学の出題範囲は次の通りである。
数学I,数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学Aは全範囲から出題する。数学Bは「数列」「統計的な推測」から,数学Cは「ベクトル」,「平面上の曲線と複素数平面」から出題する。
※2 理科の出題範囲は次の通りである。
「物理基礎・物理」は物理基礎,物理の全範囲から出題する。
「化学基礎・化学」は化学基礎,化学の全範囲から出題する。
「生物基礎・生物」は生物基礎,生物の全範囲から出題する。
「地学基礎・地学」は地学基礎,地学の全範囲から出題する。
※3 複数の面接担当教員による個人面接を行い,その評価を参考にして,場合によっては,2次面接を行うことがある。

この記事の著者/編集者

川瀬響   

東大入試ドットコム編集長

東大をはじめ難関大学を志望する中学生・高校生・高卒生の学科および生活指導も行っています。

名前:川瀬響(かわせひびき)
多くの人に"響く"人間になるように、と両親がつけてくれた名前です。

出身地:埼玉県川口市
東京に近く、市の中には公園や買い物する場所も多く、個人的には好きな街です。

出身高校:私立栄東(さかえひがし)高等学校
校長先生はじめ、個性的な先生がたくさんいる学校です。中高一貫校なのですが、最近は毎年1万人の中学受験生が受験するらしいです。

大学・学部:東京大学工学部航空宇宙工学科卒業
何より宇宙や飛行機が大好きな人たちが集まっています。
卒業生には、野口聡一さんや山崎直子さん、大西卓哉さんなど宇宙飛行士もたくさんいます。

職業:個別指導塾の塾講師
化学・生物・物理・数学を教えています。科目の内容を魅力的に伝えていくことはもちろん、自分自身が魅力的な人間になれるよう、腕を磨いています。

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