夏休みが終わり、2学期が始まってはや2ヶ月。
秋の模試に向けて目標を立て学習していることと思います。
しかし、それと同時に忘れてはならないのがセンター試験。
受験生の皆さんは既に出願手続きを終えられたことでしょう。
二次試験に向けて徐々にペースを上げて行く秋でありながら、センター試験のことも気にかけないといけない…
そんな思いからこの時期によく受ける質問がこちらです。
Q1「センター試験の勉強っていつ始めるべきですか?」
受験生Q&A第1回はこの質問を考えていきたいと思います。
Q1 検討編
僕もよくこの質問を受けることがあります。本当は「◯月のいつごろだよ!」と即答したいのですが、無責任かな、と感じてしまいます…
このため、僕が聞かれた時は以下のように答えることにしています。
「うーん、人によって違うかな。」(無責任?)
ただ、それだけで終わらせることはせずに、次の質問をするようにしています。
Q1-1.「センター試験の目標点は、各科目何点ですか?」
志望類によって、得意・苦手科目によって、自分の目標点は異なるはずです。
その点数(東大入試ドットコムでは『ターゲット得点』と読んでいます)は何点でしょうか?
Q1-2.「今の自分の点数は何点ですか?」
もし今自分がセンター試験を受けるとしたら、各科目何点取れるでしょうか…?
もちろん目標点には届かないかもしれませんが、具体的に何点取れるのか、目標点に何点足りないのか把握しているでしょうか?
Q1-3.「今の点数を目標点に引き上げるために、何が必要でしょうか?」
そもそも知識が足りないのか、慣れが必要なのか、あるいは取れるはずなんだけど点が取れないのか…
例えば「あと10点上げたい」という人でもそのためにやるべきことは人それぞれ。
あなたの場合、それは何でしょうか…?
Q1-4.「そのためには、何をどれだけやれば良いでしょうか?」
どの参考書を、どれだけやるべきか、そしてそれにはどのくらい時間がかかるのか?
全部で何時間かかるのか、見積もってみましょう。
さて、これらの質問に順々に答えていくと、
「あ、ということは◯日くらいから始めれば大丈夫ですね」
と自ずと答えが見えてくるのではないでしょうか…?
もちろん、それぞれの質問に答えるために情報が足りなかったり、自分では分からなかったりすることもあるかと思います。その時はターゲット得点や参考書紹介をぜひ参考にしてみてください。
Q1 回答編
さて、ここまでは質問にお答えする、というよりは質問に答えるための質問をさせていただきました。
それでは以下実際に、見事センター試験・二次試験を乗り切った先輩達がどうしてきたか、聞いてみようと思います。
➡H.N.さん(文科一類合格)の場合
Q1-1.「センター試験の目標点は、各科目何点ですか?」
国語 | 数IA | 数ⅡB | 英語 | 地理 | 生物 | 政経 | 合計 |
180 | 95 | 90 | 190 | 85 | 90 | 90 | 820 |
国数英が安定していたので(特に国語)を強気で行きました。
逆に、地理・生物は90点以上でで安定させるのが難しい科目だったため、やや低めの計算にしました。
Q1-2.「今の自分の点数は何点ですか?」
国語 | 数IA | 数ⅡB | 英語 | 地理 | 生物 | 政経 | 合計 |
175 | 90 | 80 | 185 | 75 | 80 | 75 | 755 |
早めに対策を初めていたこともあり、全体的に点数は取れていました。
ただ、地歴科目と数学がもう一伸び欲しいところ。地歴は単純に勉強が足りておらず、数学は数学ⅡBを解ききれるかどうかがヤマでした。
Q1-3.「今の点数を目標点に引き上げるために、何が必要でしょうか?」
①センター過去問等を使って演習する→国語・数学ⅠA・数学ⅡB(やや多めに)・英語
②参考書等を使って復習、その後演習→地理・政経・生物
Q1-2.通り、演習をすれば良い科目と、その前の勉強をするべき科目に分かれていることが分かりました。
その2種類で、やるべき勉強を分けることにしました。
Q1-4.「そのためには、何をどれだけやれば良いでしょうか?」
①の科目→過去問10〜15年分、数ⅡBは+5年分程度
②の科目→センター対策用の参考書1冊+過去問10〜15年分
参考書1冊分にかかる時間は全部で14時間、
過去問は1科目50分+丸付け&直しに20分、
という形で全部で何時間かかるか計算しました。
Q1.「センター試験っていつ始めるべきですか?」
僕の場合、11月の河合・駿台終わったくらいから本格的に初めたのですがそれが丁度良かったと思います。
10月下旬位から苦手な科目の参考書を読み始め、11月の模試が終わったら本格的に参考書学習をスタート。
12月冬休みに入るシーズン頃からは センター試験の勉強:二次試験の勉強=7:3くらいでやっていました。
とは言っても、1日の勉強量丸々センターというのは本番数日前くらいで、後は二次試験のための勉強にも触れるようにしていました。
➡Y.K.さん(理科一類合格)の場合
Q1-1.「センター試験の目標点は、各科目何点ですか?」
国語 | 数IA | 数ⅡB | 英語 | 物理 | 化学 | 世界史 | 合計 |
140 | 100 | 100 | 195 | 95 | 100 | 90 | 835 |
英語(筆記)、数学に関しては、マーク模試で、正答率9割5分以上をコンスタントに出せていたので、自分へのプレッシャーも含めて、あえて満点という設定にしました。
その代わりに、大の苦手だった国語、リスニングを少し低い点数に設定することで、心にゆとりを持たせようとしました。
Q1-2.「今の自分の点数は何点ですか?」
国語 | 数IA | 数ⅡB | 英語 | 物理 | 化学 | 世界史 | 合計 |
119 | 100 | 96 | 192 | 82 | 91 | 76 | 755 |
英語、数学に関しては、学校の授業でセンター対策をしてくれていたこともあり、順調でした。
国語は、学校の授業でセンター対策をしてくれていた現代文は85/100と、夏に比べるとかなり上昇したのですが、古文漢文が、今までサボり続けてきたツケを払うような形になり、一向に点数が上がりませんでした。
物理は、この時期までセンター対策は全くしておらず、全神経を二次対策へ向けていたので、センター特有の知識系統の問題などは「別に落としても、あとで勉強するだろう」と割り切っていました。
世界史は、3年から勉強を始めたのもあり、まだ学校の授業も全範囲はカバー出来ていなかったので、中々点数は上がりませんでした。
Q1-3.「今の点数を目標点に引き上げるために、何が必要でしょうか?」
とりあえず大至急やるべき科目は、古文・漢文の点数の底上げだと感じました。
ついで、僕のような理系の場合、社会は二次試験では不要なので、センター対策のみにフォーカスすることができるため、センター世界史の勉強時間を上げていかないとと感じました。
Q1-4.「そのためには、何をどれだけやれば良いでしょうか?」
①古文:重要単語を、単語帳を毎日通学の時間などでチェックしたり、休憩時間などに、学校の友達と問題を出し合い、自分の定着度を計る。
また、解いた問題の絶対量自体がかなり少ないと思ったので、毎日20分を目安に問題集の問題を1つ解き、またこの時期から、国語に関しては、5日に一回のペースでセンターの過去問を解き始めました。
②漢文:古文の場合とほとんど同じで、句法を中心に一から勉強し直しました。
③世界史:2日に一回1時間用語集を勉強する時間を設けました。
また、これも学校の友達と問題の出し合いをすることで、知識の定着度を計りました。
過去問は、自分の知識がまとまるまで、やってもあまり意味がないと思ったので、結局12月末まで、一度も手をつけませんでした。
Q1.「センター試験っていつ始めるべきですか?」
数学、英語のセンター試験対策を本格的に始めた、つまり自学習の時間でもセンター試験の過去問演習を取り入れ始めたのは、12月に入ってからでした。
それまでは、それぞれ週に1回学校が授業でやってくれていたセンター対策だけでした。
物理・化学に関しては、過去問を解いたりなど本格的なセンター対策を始めたのは、12月末だったと思います。
理系の国公立の入試は、二次試験の理科の出来で決まるところが多いため、また理科の二次試験の勉強は割とセンター試験対策にも反映されるところが大きいと思ったので、この時期では割り切って、二次試験対策用の問題集を解きまくってました。
国語、世界史に関しては、かなりやばい状況だったので、この時期から対策をはじめました。
各科目毎に、自分の今の状態と理想点数との比較、二次試験との兼ね合いを考えながら、センター試験対策のスタート時期を決定すると良いかと思います。
まとめてみると言えることは、
受験年の11月にセンター学習がある程度仕上がっている科目も、仕上がっていない科目もある
例で見たように、人によって科目によって仕上がり具合はまちまちです。
仕上がっている科目、仕上がっていない科目を見極めて残り時間を見積もると良いでしょう。
一般的に11月下旬〜12月上旬頃から始める人が多い
人それぞれとは言いましたが、結果的に11月下旬〜12月上旬から始める人が多いようです。
もちろん、先がけて始めた方が良い場合もありますが、基本的には二次試験用の模試が落ちつくタイミング、というのはあるかもしれませんね。
以上、Q1.「センター試験の勉強っていつ始めるべきですか?」にお答えしてみました。次回は二次試験に向けての心構えを扱う予定です。お楽しみに!
東大入試ドットコムでは、皆さんからの質問をお待ちしています。
いただいた質問は今後、本ブログで取り上げることを検討中です。
TwitterやFacebook、お問い合わせページよりぜひお寄せください!
2014/11/14 根本紘志