受験対策

【Q&Q&A夏期特別編】Q6.「今何を勉強していますか?学部どうやって決めましたか?」


夏休みも終わりが迫ってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?中にはもう2学期始まっている人もいるかと思います。暑い日がつづきますがどうぞ頑張ってください!

大学生も今は夏休みの真っ最中。昨年までは「高校生の皆さんって大変ですね…大学生は9月末まで夏休みですよ」とか言っていたのですが、学事歴が変更になり(高校でも二学期制への変更等ありましたよね?)、東大も多くの学部で9月より授業が始まることになってしまいました…

さて夏の締めくくりということで、今回から5回にわたりQ&Q&A特別編をお届けします。

題して「振れる?進学振り分け座談会企画」

東大生、特に東大の2年生にとって夏というと特別な区切りを意味します。

それは進学振り分け。

入学して2年間過ごしてきた教養学部前期課程を終えた後、学部の3〜4年をどこで過ごすかを決める重要なイベントです。「東大法学部卒(ドヤ)」と言っている人も、この進学振り分けで法学部に「振り分けられた」人たちなのです。

進学振り分けについて、一般的な制度やちょっとした体験談を見る機会はたびたびありますが、進学振り分けを経験した人たちが何を経験し、考え、思っているのかをじっくり聞く機会は東大生でもなかなか無いものです。
進学振り分け関する話は例えば以下のような所に掲載されています。
東大新聞の「進学振り分け特集号」や毎年発行の東大紹介本
東大新聞のwebページ
・東京大学教養学部丹野教授のHPには進振り制度の意義が書かれています。
「東大までの人、東大からの人」(現代ビジネス)


そこで、このたび現役の東大生に自身の進学振り分けについて話してもらう機会を設けることにしました。
学年、専攻、性格のバラバラな4人の現役学生が自身の進学振り分け体験、東大の授業や学生生活、また次年度より変更される進学振り分けという制度について語ります。本企画を通じて進学振り分けや、大学生活の送り方についてイメージを掴んでいただければ幸いです。

<今回話を聞かせてくれた現役東大生>(2015年8月時点)
・Sさん…理科一類2年
・Kさん…理科一類→工学部航空宇宙工学科3年
・Oさん…理科一類→理学部→工学系研究科都市工学専攻修士1年
・Nさん…文科一類→法学部→学際情報学府修士2年

前回のQ5-3.にもあった「東大ってどんなことが勉強できるんですか?学生ってやっぱり勉強ばかりなんですか?」にもお答えできればと思っています。

早速今回は勉強について、「今何を勉強していますか?学部どうやって決めましたか?」を聞いてみたいと思います。


Q6.検討編


勉強のことを聞くにあたって、こんな質問をしてみました。どんな答えが返ってくるでしょうか…?

Q6-1.「今何を勉強していますか?」
4人それぞれ、今は別の学部で別々のことを勉強しています。
どんなことを勉強しているか、簡単に聞いてみました。

Q6-2.「学部1〜2年の時にどんなことを考えて進路を選びましたか?」
4人がどのようなことを考えながら進路選択をしたのか、学部1〜2年生の時に何をしていたのかを聞いてみました。


Q6.回答編


それでは早速座談会でどんなことが話されたか見てみましょう。

Q6-1.「今何を勉強していますか?」
−−−−−こうしてお互いがどんなこと考えて進振りをしたか、ってなかなか話す機会無いと思うので、今日は楽しみです。よろしくお願いします。早速ですが、自己紹介も兼ねて今何を勉強されているかをお聞かせください。

O:今は上水道学という分野を勉強しています。具体的には島嶼部、アジア途上国における水質管理がテーマで、特に塩素消毒についてやっています。日本のように上下水道の設備が整っていない国だと水の消毒って大問題なんですよ。色々な国を調査して、日本の水道技術の高さに改めて驚いています。

S:今2年生なので、教養課程といって文理様々な科目を勉強しています。進学振り分け用の単位は一通り揃え終えたので、これから大学内外問わず関心の有ることを色々と勉強してみようと思っています。

N:今は教育工学・学習科学という分野を専攻していて、ITを用いた学習方法や、学習環境のデザイン、学習の成果をどう測るかといったことを勉強しています。

K:航空宇宙工学の基礎として、構造力学や材料、伝熱、計算機工学、航空機力学、宇宙工学、制御、設計などを学んでいます。あと、個人的に英会話の勉強もしています。


Q6-2.「学部1〜2年の時にどんなことを考えて進路を選びましたか?」
−−−−−結構多種多様なことをされていますね。皆さん色々と考えて進路を選ばれたと思うのですが、学部1・2年の時にどのようなことを考えてました?

K:小さいころから宇宙が好きで、 宇宙に関われる学部に行きたいと考えていました。数学がそれほど得意でないのと、ごりごり研究するのは苦手だと思ったので、航空宇宙に行こうと決めました。そこからは必要な点数を取るために一生懸命勉強していましたね。

S:スゴい。大学入った時から航空宇宙一本だったんですか?

K:まあ、そんな感じですね。大学入試の時から「航空宇宙に行こう」と思っていました。

N:そうすると、将来は宇宙研究とか宇宙飛行士とかですか?

K:そうなれたら嬉しいですが、今は他の選択肢も幅広く考えておこうと思っています。学部のOBOGだと自動車会社の開発などやっている人が多いでしょうか。他には技術や特許を扱う官僚になっている人もいます。


O:僕は入学時に志望がはっきりしていなかったので、大学2年のはじめくらいから行きたい学部を考え始めました。逆評定という東大の授業紹介をする雑誌があるのですが、その進振り特集号を買って、進振りの全体像・各学科の概要を調べていましたね。見ていて興味のありそうな学科がいくつかあったので、その学科をインターネットで調べて決めました。国際性の高い学科を選びたかった(留学もしてみたかった)のと、後は自分の点数を考えて工学部都市工学科都市環境工学コースか農学部国際開発農学のどっちにしようか最後まで悩みました。

S:出た、逆評定!

O:逆評定って「授業の面白さではなくて単位の取りやすい授業ばかり取り上げ過ぎ」という批判も良く聞くんですが、学生の「実際のノリ」が分かるのは良かったです。

N:水って高校時代までだとあまり関心持つ機会無さそうですよね。

O:そうですね、実際点数がそこまで高くないのと、留学生が多いのとで選ぶ人が周りにも多かったです。入ってみるとアジアからの留学生が本当に多い。僕の研究室も周りタイからの留学生ばっかりです。 いざやってみると面白いですけどね。


N:元々教育行政を勉強したかったので、行政を勉強できる法学部か教育について勉強できる教育学部かで迷っていました。学部の説明会があったので参加して、教育学部の先生に「迷っているんですよね…」と言ったら「学部は法学部で勉強して、大学院で教育学研究科に来たら?」と(笑)。それで法学部に進むことにしました。

K:何と言うか、懐の深い先生ですね(笑)


S:高校時代に物理が得意だったので、物理をより詳しく勉強できる理学部物理学科(通称:リブツ)か工学部で迷いました。色々と話を聞いてみると、両方とも物理を使うんですけど、理学部物理学科は教科書に載るような新しい理論を探して、工学部は教科書に載っているような理論を使って世の中で実際にモノを作ったりするという違いがあることが分かりました。それで言うと、理論を使ってモノを作る方が良いかなと思い工学部を選びました。ただ、理論も勿論興味があるので理論もある程度勉強できる物理工学科というところを選びました。

N:工学部の仲でも理学部より、って感じですか?

S:そうです、そんな感じですね。

O:リブツって就職しなさそうなイメージ…(笑)

S:確かに、工学部選ぶ時に「こっちの方が就職有利だな」とは思いました(笑)

N:それだけ見て決めたんじゃないですか?(笑)

S:いや、そんなこと無いです!ちゃんと理学部と工学部のホームページ隅々まで見て結構考えたんですよ(笑)


意外と(?)皆さん大学1〜2年生の時期を有効に使っていたようです。とは言え、実際の勉強はどんな感じだったのでしょうか…?次回に続きます。


2015/08/28 根本

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