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駿台文庫『システム英単語』

大学受験英語の根幹を為す英単語、書店では多くの英単語帳を見かけます。
数ある英単語帳の中から今回は「システム英単語」を紹介したいと思います。
『最新の入試問題のべ8,000回分を分析し、...
 大学受験英語の根幹を為す英単語、書店では多くの英単語帳を見かけます。
 数ある英単語帳の中から今回は「システム英単語」を紹介したいと思います。

 『最新の入試問題のべ8,000回分を分析し、現代英語に欠かせない2,021語を収録』と銘打ち、その表題の通り受験英単語についてシステマティックな分析をしていることをウリにしているのが本書。実際に本書に目を通してみると「◯○の意味で使われるのが90%以上」、「△△の意味で使われるのは極まれ」等々の注意書きが数多くの単語に附されているのが分かります。単語の派生語、イディオムも数多く掲載されていますが、それぞれがシステマティックな分析による“出る順”で♢と♦︎にクラス分けされているのも嬉しい。

 また単語単体で覚えるのではなく、例文で覚える訳でもなく、受験英語で頻出の意味、カタチをコンパクトに凝縮した「ミニマルフレーズ」を活用するのが本書。
 例えば、dismissであれば“dismiss the idea as nonsense”、specializeであれば“specialize in Chinese history”といったフレーズが掲載されています。
 このようなミニマルフレーズを覚えることで、その単語が伴う前置詞(specializeの例ではin)を纏めて暗記することができるのが大きな利点です。特に自由英作文が課される東大入試では、ミニマルフレーズを活用した英文を作ることで前置詞等での減点を避けることが出来るだけでなく、多くの英語の言い回しを知り、“英作文の引き出し”が増えることでしょう。

 巻末に付録として多義語が掲載されているのも本書の特徴の一つです。meanやfigureといった極々初歩的な単語は軽視してしまいがちですが、これらの単語が持つ意外な意味をまとめて掲載されていることで改めて多義語の重要性を認識することができます。2011年に改訂されてからは更に付録として語源の解説、ジャンル別英単語リストも追加されています。

 これらの特徴に加え、多くの補足情報やQ&Aが書かれているのも私が本書が好きな理由の一つです。その単語の語源や同義語、派生語、頻出の発音問題・文法問題といった英語を学ぶためのヒントに充ち満ちていることが本書の大きな魅力であると感じます。本書からは単に英単語を丸暗記すること以上の見返りが得られるのではないでしょうか。

 本書には「システム英単語Basic」という下位互換版も存在します。こちらでは高校一年生向けレベルの単語が1章分追加され、難単語が除外されています。東大を目指すのであれば、書店でBasic版に目を通し、1章の単語に自信があれば通常のシステム英単語を購入、自信が無ければBasic版と通常版の両方を購入すれば良いでしょう。



2014/05/09 大澤英輝

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