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桐原書店『Forest』

英語を学習する上で必要不可欠なのが文法書。今回はその中でも人気の高い「Forest」を紹介します。
文法書を書店で探してみると、この「Forest」と「ロイヤル英文法」の二冊は大抵平積みされていることが多いです。ともに名著とされ、長年に渡り受験生に支持されているこの二冊ですが、中に目を通してみると...
 英語を学習する上で必要不可欠なのが文法書。今回はその中でも人気の高い「Forest」を紹介します。

 文法書を書店で探してみると、この「Forest」と「ロイヤル英文法」の二冊は大抵平積みされていることが多いです。ともに名著とされ、長年に渡り受験生に支持されているこの二冊ですが、中に目を通してみると両者の違いは歴然!
 シンプルな二色刷りの文字がズラッと並ぶロイヤル英文法に対し、Forestはフルカラーでイラストが多用されています。好みが分かれるところであるとは思いますが、Forestの方が「とっつきやすい」文法書であるとは言えそうです。

 本書は、
「Part 1 これが基本」→「Part 2 理解する」→「Part 3 深く知る」
の 3 Part で構成されています。

 Part 1 では「本質を理解する」ことを目的とする、と筆者は書いていますが、実際に目を通してみると、いかにもその通りだと実感できるでしょう。例えば皆さんの中で「分詞とは何か?」といった問に自信を持って答えられる人はどれだけいるでしょうか? Ali is as tall as Bill. と Bill is as tall as Ali. の文の違いを説明出来る人はどれだけいるでしょうか? こういった英文法の「そもそも論」を日本語との対比や概念図を使って分かりやすく解説してくれます。Part 1 だからと言って侮るなかれ、英語が得意だと思っている人ほど新たな発見が得られるかもしれません。
 Part 2 は各文法項目の基本事項が書かれており、一通り目を通せば基礎力を獲得出来るようになっています。とはいえ基本事項だけでなく、コラム的に問われやすいニッチな知識を紹介してくれているので見落とせません。例えば、Gasoline will float on water. のような “習性・傾向の will” なんてものが紹介されています。
 Part 3 はいわゆる ”暗記モノ” である詳細な文法事項が書かれています。単なる暗記事項として羅列されているのではなく、「なぜ?」というところまでしっかり書かれているのが嬉しい。例えば no less than A, not less than A, no more than A のような混同してしまいそな言い回しも「なぜその訳になるのか?」を理解して覚えられるようになっています。

 注意して欲しいのは本書はあくまでも文法書であり、問題集では無いということ。各章末に一応の確認問題は付いていますが、文字通り確認のための問題であって演習には使えません。他の問題集と併用し、間違えた問題を辞書的に調べる、といった使い方が一般的でしょう。コラムも充実しているので暇な時にペラペラとめくって読んでみるのも面白いです。
 高校一年生から大学生のTOEIC、TOEFLまで活用可能な本書、手元に置いておいて損は無いはずです。



2014/09/19 大澤英輝

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