東大日本史はその出題形式が非常に独特と言われます。
問題形式はリード文+問題、と国語のような側面を見せつつ高得点を取るためには「日本史のキモ」をきちんと押さえておく必要があります。実際、 第1問なんかは中学校1年生でもある程度目処を立てることはできるのですが、いざ解答しようとなるとかなり大変…
そんな日本史の出題形式を見てみましょう。
■出題内容■
試験時間は2科目合計で150分、60点満点。
番号 |
出題形式 |
配点(推定) |
第1問 |
古代に関する論述 小問1〜3問 全150〜210字程度 |
15点 |
第2問 |
中世に関する論述 小問1〜3問 全150〜210字程度 |
15点 |
第3問 |
近世に関する論述 小問1〜3問 全150〜210字程度 |
15点 |
第4問 |
近代に関する論述 小問1〜3問 全150〜210字程度 |
15点 |
基本的に問題のフォーマットは各問とも同じ、大問4問形式での出題がここしばらく続いています。また、大問内の問題形式も大きな差は無く、似た形式・論述量の問題が続きます。
大問ごとに異なるのはその出題内容です。古代・中世・近世・近代から各1問出題されています。
第1問
本問は古代(奈良〜平安時代)に関する問題が出題されます。
2〜3行の文書を4〜5つ読み、それを元に論述します。テーマとしては古代律令国家や古代の外交等、有名テーマが決まっているため大外しすることはあまりないでしょう。
しかし、本問の難しさは「問題で問われていることにきちんと答えられるか」。「あっ、知っている問題だ」と思って自分の知識だけをどんどん書いていってしまうと、「問題に答えていない」ということで減点を食らってしまいます。
暗記科目というよりは、読解をきちんとして適切な回答を書く、国語的要素が強い問題ですので問題文の読み取りに特に時間をかけたい問題です。
とはいえ訓練次第ではいくらても取ることが出来るので、きちんと対策をし、落ちついてある程度の時間をかけて確実に7割程度は得点したいところです。
第2問
本問は中世(鎌倉〜室町時代)に関する問題が出題されます。
出題形式は第1問と似ていますが、時たま図表(過去には、傘連判状が出されたこともあります)を参照して論述を書く、といったバラエティある出題になることも。
基本的には、予想を裏切る出題がされることは無く、安定して点が見込めるでしょう。
鎌倉時代・室町時代の内政・外交がメインですが、時たま経済・文化史や織豊政権が出題範囲に含まれることも。穴を作らないような学習が求められます。
第3問
江戸時代に関する問題が出題されます。
江戸時代の中でも主に出題されるのは18世紀までですが、その中では年代、分野幅広く出題されます。
第1問、第2問と比べると基本知識の有無が得点を左右します。問題形式は第1問や第2問と大きくは変わりませんが、第1問では問題文の意味を絞り込むのに苦労するのに対して、第3問では問題文を教科書のどの知識と結びつければ良いかを考えるのに時間がかかるでしょう。
第4問
近現代に関する問題が出題されます。
日本史Bの教科書の約半分が近現代に割かれているだけあって、知っているか知らないかが出来に大きく左右されます。
問題形式は他3問と類似していますが、文章というよりは資料が出されること、また資料が何を指すのかの特定がポイントであること(第3問と似ていますね)が特徴でしょうか。
■時間配分について■
東大日本史の特徴をざっくりとまとめると以下のようになります。
|
第1問 |
第2問 |
第3問 |
第4問 |
読解力度 |
大 |
中 |
中 |
小 |
知識度 |
小 |
中 |
中 |
大 |
解く際に比重を置く部分 |
問題文読解 |
問題文読解 |
自分の知識との融合 |
自分の知識の組み立て |
ここから見て読み取れることは、第1問〜第2問あたりは焦っている状態ではやらない方が良い、ということ。
いずれも解答にかかる時間はそれほど変わりませんが、解答するにあたり力を割く部分が大きく異なります。(第3問・)第4問は言ってしまえば知っているか知らないかの問題。逆に、第1問第2問は読解を正確にできるかどうかが問題の出来を大きく左右します。
他の科目(英語や世界史?)であれば、解く順番等を吟味する必要が出てきますが、日本史の場合は素直に第1問から順番に解いて行くとよいでしょう。
■参考得点■
・得意なら目指してみよう……45点
・苦手でもここまでは……38点
・本番で大失敗……30点
地歴科目全般(そして、日本史もご多分に漏れず)の目標点としては30点台後半〜40点台前半が目安です。そして後半の追い込みが効く・大崩れすることは少ない、と得点戦略を立てる上では良い科目。ぜひ高得点を狙い計画的に学習を進めてください。
2014/12/17 根本紘志
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