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入試問題早慶戦 2回戦:法学部 英語

慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

慶應義塾大学

 試験時間80分で大問4~5題。
 文法・語法問題、会話文、読解2題という基本構成で、年によって文法・語法問題や会話文が大問2題分出題されることがあります。解答はすべてマークシート方式です。

 文法・語法問題は主に誤り指摘と語句挿入の2種類です。誤り指摘はレベルの高い問題が多めですが、近年の東大でも文法問題は誤り(不要語)指摘は頻出であるため、いい対策となるでしょう。語句挿入問題では単語の派生形の知識が問われますが、東大では2010年度に出たきり派生語を問う問題は出題されていません。

 会話文には語句挿入と文挿入のパターンがあります。いずれも形式としてはオーソドックスですが、難しいイディオム・会話表現の知識も出題されるため、これについては専用の対策が必要でしょう。

 読解のうち一題は文中の単語の意味を問う問題です。文脈から単語の意味を推測する必要がありますが、これは東大に限らず長文読解では必須となる能力ですので、長文対策としてよい練習になるでしょう。難易度も難しすぎない妥当なラインで、良問であるといえます。

 もう一問の読解は段落ごとに要点を問うてくる形式で、センター試験大問6に似ています。もちろん難易度はセンターよりかなり高いですが、パラグラフリーディングの練習となるので、長文読解全般へのいい対策になる問題です。語数は2題合わせて1200~1300語前後のことが多く、内容・量とも東大よりもマイルドになっています。

 全体としては、少し難しめだが典型的な構成の入試問題、という印象です。誤り指摘や読解問題のようにいい練習になる問題もありますが、東大入試とは形式が異なる部分が多く、更に会話文に対しては専用の対策が必要となるため、東大対策としては評価しづらいところです。試験時間は80分とやや短めですが、読解問題がそれほど重たくないので、東大入試より余裕をもって解くことができるでしょう。

サンプル問題 ~2016年 大問Ⅲ~

形式:★★☆☆☆(すべてマーク式)
傾向:★★★☆☆(オーソドックス)
分量:★★★☆☆(東大入試ほど厳しくない)
知識:★★☆☆☆(会話文に対し対策が必要)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

早稲田大学

 試験時間は90分で大問が6~7題。例年長文読解が2題、文法・語法問題が2~3題、英作問題が2題という構成です。解答はマークシート方式に加え、英作文では記述が必要になります。

 長文読解は2問とも各1000語前後で、難易度、量ともに東大大問5の長文読解に引けを取りません。早稲田の場合この分量の長文が2題出題されますので、より速読力が求められるといえます。

 各段落の要約の内容一致問題が出題されますが、これは東大大問1の要約問題に共通する点が多い良問です。ただ長文読解同士を比較すると傾向が少し異なり、早稲田は設問がすっきりしていて、問題文の大筋がつかめれば波に乗って得点できる一方で、東大は物語文中での語句の意味を考えさせるなど、一歩踏み込んだ内容の問題が混ざっています。

 文法・語彙問題は慶應よりも解きやすい内容です。多くの問題が市販の問題集で対応可能な難易度に設定されていて、理不尽に難しい知識が問われることもありません。

 英作文2題のうち1題は、和訳および使用すべき語の一部が指定された和文英訳です。文を組み立てるうえでクリティカルな語が指定されていることが多く、完成文への道筋が見えやすいのが特徴です。構文の知識がしっかりしていれば大丈夫、という問題がほとんどなので、東大入試に必要な構文知識の確認として役立つでしょう。

 特筆すべきはもう1題の自由英作文です。早稲田法では私大には珍しく本格的な自由英作が出題されます。あるテーマについて自分の意見を理由とともに説明せよ、というパターンがほとんどで、文化・社会問題などのテーマが出題されることが多いため、やや難しめの内容を自分の言葉にかみ砕いてしっかり説明する力が求められます。東大の自由英作でも状況説明や自分の主張への理由付けを求められることは多いので、対策が大いに役に立つでしょう。

 全体として高い処理能力が問われ、自由英作が出題されるなど、東大対策とオーバーラップする部分が大きい試験です。東大対策をしていれば他に特別な対策は必要ないという点もポイントが高いですね!

サンプル問題 ~2015年 大問Ⅵ~

形式:★★★★☆(要約、自由英作が出題される)
傾向:★★★☆☆(設問はシンプル)
分量:★★★★★(読み応え十分)
知識:★★★★☆(東大同様、理不尽に難しい知識は要求しない)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

法学部 英語対決 結果

形式 傾向 分量 知識
KEIO 2 3 3 2 10
WASEDA 4 3 5 4 16
戦評

 早稲田が大勝で開幕2連勝

 慶應は良くも悪くも一般的な入試形式であるため、東大対策という点で見ると微妙なところ。早稲田は問題形式、ボリューム感が東大に近く、さながら「込み入っていない東大入試」といったイメージです。

2016/12/15 宮本 拓


ここまでの対戦結果

理工
数 学

英 語
理工
物 理

世界史
理工
化 学

日本史
理工
生 物

国 語
理工
英 語
KEIO 0 2 0
WASEDA 2 0 0

次回予告

12月19日(月) 3回戦 理工学部 物理対決

入試問題早慶戦
<開会式>
<法学部>英語世界史日本史国語
<理工学部>数学物理化学生物英語
<閉会式>総括


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