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入試問題早慶戦 6回戦:法学部 日本史

慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

慶應義塾大学

 試験時間60分100点満点。大問4題、小問50問で構成され全問マーク式です。歴史事項に関する説明文や史料が示され、その穴埋めと関連した問題に答えます。世界史と同じく近現代史に重点が置かれ、第二次世界大戦後史もよく出題されます。時代ごとの出題に加えて複数時代をまたいだテーマ史も出題されます。

 特徴的なのは文章量と選択肢数です。大問1題につきA4用紙1ページ文程度の文章を読み、解答は50〜80個の選択肢から選びます。選択肢は人名や地名、歴史用語の種類関係なく五十音順に並べられているので、文章や選択肢の読み込み方に工夫が必要です。文章の読み込み方は東大日本史に通ずるものがあります。

 問題で問われるのは人名や資料名といった固有名詞がほとんど。センター試験、東大二次試験で問われる歴史の流れとは大きく異なります。東大二次試験がセンターレベル知識+日本史の大局観を求めるとすれば、慶應日本史はセンターレベル知識+史料などプラスアルファの細部知識を求めていると言えます。東大と併願する場合には日本史はほどほどに得点し、小論文と英語で稼ぐ方が良いでしょう。

 問われる事項や傾向(特に戦後史が出題されるのはネック)が異なるため、東大二次試験とは別の対策が必要です。ただ、サンプルとして挙げた問題のように説明文・史料は読んでいて勉強になるものが多いです。解き終わった後に説明文や史料を熟読すると良い勉強になりそうです。

サンプル問題 ~2015年 大問Ⅱ~

形式:★★☆☆☆(すべて語句回答、史料の読み込み方は似ている)
傾向:★☆☆☆☆(テーマ史と戦後史が出る)
分量:★★★☆☆(読む量は東大より多い)
知識:★★☆☆☆(東大以上の知識が必要)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

早稲田大学

 試験時間60分70点満点。大問4題、小問40問で構成されマークと記述(語句を答える)で解答します。歴史事項に関する説明文が示され、関連する問題に答えます。古代〜近現代までまんべんなく扱われますが近現代がやや多め(基本、大問4問中2問が近現代史です)で第二次世界大戦後史も出題されます。

 問題形式は慶應のような特異さはありません。大問1題につき文章量はA4半分〜2/3程度で、選択肢は設問ごとに用意されます。特徴的なのは用語を漢字で解答させる問題があることくらいで、文章の読み込み方や解き方はセンター試験と似ていると良いでしょう。センター試験と異なる点としては、史料読み込み問題(特に近現代の未習史料が出る)ことが挙げられます。

 早稲田の問題は一見そこまで難しくないように思われます。実際7割程度の得点であればセンター試験の勉強内容でほぼカバーできるでしょう。しかしそれ以上を狙うとなると途端にハードルが上がります。サンプルで挙げた問題の問7の解答は「安部磯雄」なのですが、通常の日本史学習ではまず頭に残っていないでしょう(実は早稲田大学と縁の深い人物で、東伏見キャンパスには安部磯雄記念野球場があります)。日本史で高得点を狙うには、早稲田関係者なども含めた早稲田対策の知識が必要です。

 センター日本史の対策にきちんと取り組むのであればある程度の得点は見込めるでしょう。慶應と同じく高得点を狙うには負荷の高い問題です。また、慶應と同じく文章を熟読することは東大二次に向けて良いトレーニングとなるでしょう。

サンプル問題 ~2016年 大問Ⅲ~

形式:★★★☆☆(東大というよりセンターと似ている)
傾向:★★☆☆☆(戦後史が出る)
分量:★★☆☆☆(やや少ない程度)
知識:★★☆☆☆(東大以上の知識が必要)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

法学部 日本史対決 結果

形式 傾向 分量 知識
KEIO 2 1 3 2 8
WASEDA 3 2 2 2 9
戦評

 共に東大よりもセンターに似ておりロースコアとなった戦いを早稲田が制した

 東大日本史が特殊すぎるせいか、早稲田慶應とも東大二次との親和性は高くありません。むしろ比較対象となるのはセンター試験。センター日本史対策をする方であれば早稲田日本史の方が解きやすいと言えるでしょう。

2016/12/29 根本紘志


ここまでの対戦結果

理工
数 学

英 語
理工
物 理

世界史
理工
化 学

日本史
理工
生 物

国 語
理工
英 語
KEIO 2 4 0
WASEDA 4 2 0

次回予告

1月2日(月) 7回戦 理工学部 生物対決

入試問題早慶戦
<開会式>
<法学部>英語世界史日本史国語
<理工学部>数学物理化学生物英語
<閉会式>総括


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