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入試問題早慶戦 9回戦:理工学部 英語

慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

慶應義塾大学

 90分で大問6題の構成。大問1~4はマークシート方式で、大問5,6は単語の記述が要求されます。

 大問1,2は600~700語程度の長文読解です。語彙は少し難しめですが、文は短めで要旨も明快であるため、それほど読みにくいという印象は受けません。東大はもちろん、後述する早稲田理工の長文よりも解きやすいでしょう。
 その後ろには大問3に会話文、大問4に文法・語彙問題、大問5に派生語記述、大問6に和訳に合わせた単語の記述が続きます。全ての問題に共通することは、とびぬけて難しい知識は必要ないが、市販の単語帳や参考書に書かれている知識は隅々まで暗記していなければならない、ということです。

 例としてサンプル問題を見てみましょう。
 大問1 [1](3)の適語挿入ではconservation,innovation,renovation,reservationが選択肢となっていますがこれらの意味を混同せずに正確に答えることが要求されます。また大問5(3)ではtheoryの副詞形が問題となっています。いずれも単語帳には間違いなく載っていますが、しっかり読み込まなければ即答しづらい知識です。
 上記のように、単語帳や参考書のレベルは逸脱しないが、その詳細を問う問題が全大問を通して出題されます。対策が面倒なように思われますが、単語帳、参考書を読みこんで語彙のニュアンスまで把握することは読解力の向上にもつながります。例えば第一義が同じ「思う」という単語でもthink,assume,believe,consider,suspectの違いが何なのか分かれば、どのような確度の「思う」なのかが分かり、和訳も行いやすくなります。
 慶應対策として単語帳、参考書を読みこむのは単なる暗記以上の効果が期待できるでしょう。

サンプル問題① ~2016年 大問1~

サンプル問題② ~2013年 大問5~

形式:★★☆☆☆(一部記述だが、単語のみ)
傾向:★★★☆☆(問題文よりも選択肢の判別が難しい)
分量:★★★★☆(東大より若干少なめ)
知識:★★★★★(オーソドックスな知識の深化が求められる)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

早稲田大学

 慶應同様、制限時間は90分で大問は5題。全てマークシート方式です。

 大問1は1000語オーバーの本格的な長文問題です。厄介なことに主に科学に関する専門用語が多く出てくるため、それらの意味を推測しながら読み進める必要があります。加えて、内容一致問題の選択肢が文全体の内容を含んでおり、どこにどのような内容が記述されていたかを瞬時に思い出す力が必要です。

 大問2は難易度の高い並び替え、大問3は適誤挿入と段落整序問題です。段落整序問題は東大の大問2(b)とかなり近い形式であるため、いい練習となるでしょう。段落整序問題は他の大学では出題例が少ないので早稲田理工の受験予定がない人もこの問題だけは2(b)対策として解いてみてはいかがでしょうか。

 大問4は300語程度の長文読解問題が2つ出題されます。簡単な計算問題が出るのが特徴ですが、東大対策にはこれといって役に立つわけではないでしょう。
 大問5は単語の穴埋め問題になっています。これも東大とは無縁な問題ですが、出題形式が初見殺し(※サンプル画像参照)なので、受験する際は注意してくださいね。

サンプル問題① ~2016年 大問3~

サンプル問題② ~2016年 大問5~

形式:★★★☆☆(すべてマーク式だが、段落整序あり)
傾向:★★☆☆☆(語彙と長さがしんどい系)
分量:★★★★★(東大に近い厳しさ)
知識:★★★☆☆(年度により語彙がかなり難しい)


慶應義塾大学 早稲田大学 対戦結果

理工学部 英語対決 結果

形式 傾向 分量 知識
KEIO 2 3 4 5 14
WASEDA 3 2 5 3 13
戦評

 慶應が僅差で最終戦を制した

 慶應が僅差で勝利です!全体として慶應は基本に忠実。早稲田は難易度こそ高いが、難しさの質が東大と異なる、というイメージです。慶應対策は東大だけでなく全ての受験英語の基礎につながるので、無駄になることはないでしょう。

2016/01/09 宮本 拓


ここまでの対戦結果

理工
数 学

英 語
理工
物 理

世界史
理工
化 学

日本史
理工
生 物

国 語
理工
英 語
KEIO 3 6 0
WASEDA 6 3 0

次回予告

1月12日(木) 閉会式 総括

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