1ヶ月に渡ってお送りしてきたこの入試問題早慶戦も、全試合が終了しました。改めて、戦績を振り返ってみましょう。
優勝:早稲田大学(6勝3敗)
理工学部
慶應義塾大学 |
教科 |
早稲田大学 |
勝敗 |
得点 |
得点 |
勝敗 |
● |
14 |
数学 |
18 |
○ |
○ |
17 |
物理 |
15 |
● |
○ |
12 |
化学 |
11 |
● |
◆(不戦敗) |
0 |
生物 |
18 |
◇(不戦勝) |
○ |
14 |
英語 |
13 |
● |
3勝 |
57/100 |
計 |
75/100 |
2勝 |
法学部
慶應義塾大学 |
教科 |
早稲田大学 |
勝敗 |
得点 |
得点 |
勝敗 |
● |
10 |
英語 |
16 |
○ |
● |
9 |
世界史 |
11 |
○ |
● |
8 |
日本史 |
9 |
○ |
● |
4 |
国語 |
15 |
○ |
0勝 |
31/80 |
計 |
51/80 |
4勝 |
総 評
主に文系科目のせいで早稲田の圧勝のように見えていましたが、実は理工学部だけで見ればむしろ慶應側が勝っていました。理工学部の合計点数も、不戦勝の生物を除けば両校57/80点の同点! かなりアツい勝負だったようです。
結果を詳しく分析してみましょう。全体として、早稲田大学の入試問題は、東大を形式面でかなり意識しているように見受けられました。勝利を収めた全問記述式の数学、中論述のある世界史、現代文ラスト100字超の記述のある国語はもちろん、負けてしまった理工学部英語にも、ほとんど東大特有と言っていい出題形式である段落整序問題が出題されているなど、顕著に特徴が表れていたように思います。
一方の慶應はと言うと、東大入試には無頓着、我関せずといった調子で自分のスタイルを貫いていました。その分なのか、問題に王道を行く良問が多く(特に理系科目)、勝利を収めた物理・化学・理工学部英語は形式面の違いを補って余りある問題の質が勝因となっていたようです。どの学部の入試にも「国語」という科目は設けず徹底して小論文を課しているところも踏まえ、慶應が出題内容自体に強いこだわりを持っていることが見て取れます。
こうして見ると、早稲田大学には、受験生が東大と併願しやすいよう配慮して少しでも優秀な人材を確保しようという意図があるのではないかと考えられます。だとすれば、そのような出題をする早稲田と、陸の王者として我が道をゆく慶應とのこの勝負、前者の勝利は至極当然の結果だったようです。純粋に問題の質だけで見ればまた違った結果になるのかもしれませんが、今回はあくまで「入試問題の東大入試との親和性」での勝負ということで、この企画が東大受験生の皆さんの何らかの参考になれば幸いです。
2017/01/12 石橋雄毅
入試問題早慶戦
<開会式>序
<法学部>英語/
世界史/
日本史/
国語
<理工学部>数学/
物理/
化学/
生物/
英語
<閉会式>総括