#01【Q&Q&A】センター試験の勉強、いつ始めるべき?

この連載では、すぐに答えが出ない疑問や悩みに対して「どう悩めば良いのか」を、逆質問によってコンサルタント形式で深く掘り下げていく。また、東大に合格した先輩の事例をもとに具体的な回答も紹介する。Q&Aならぬ、Q&Q&A。どうぞおつきあいください。

ユーザーの皆様は「センター試験の勉強っていつ始めるべきですか?」という問いにどう答えるのでしょうか?

―例えば、秋にはセンター対策と二次対策のバランスで悩む受験生が悩んだりしますよね。

二次試験に向けて徐々にペースを上げて行きながら、センター試験のことも気にかけないといけない…だからセンター試験の勉強っていつ始めればバランス良く学習できるのか?そんな思いからよく受ける質問です。

本当は「◯月のいつ頃」と即答したいのですが、それは無責任なのかなと思っています。


ですから、私は4つの質問をするようにしています。

これらの質問に順々に答えていくと、「あ、ということは◯日くらいから始めれば大丈夫ですね」と自ずと答えが見えていきます。

では、今回は文科一類志望のH.Nさん理科一類志望のY.Kさんがセンター対策に悩んだ11月について、実際に振り返ってみたいと思います。
※二人とも無事合格

志望類によって、得意・苦手科目によって、皆さんの目標点は異なるはずです。
その点数は何点でしょうか?
関連記事:ターゲット得点(公開予定)

 

―文科一類志望のH.Nさんは、国語の目標点が高いですね。

H.Nさん(文科一類合格)の当時の目標点

H.N:国数英が安定していたので(特に国語)を強気で行きました。

逆に、地理・生物は90点以上で安定させるのが難しい科目だったため、やや低めの計算にしました。

―理科一類志望のY.Kさんは満点狙いが多いですね。

Y.K.さん(理科一類合格)の当時の目標点

Y.K:英語(筆記)、数学に関しては、マーク模試で、正答率9割5分以上をコンスタントに出せていたので、自分へのプレッシャーも含めて、あえて満点という設定にしました。

その代わりに、大の苦手だった国語、リスニングを少し低い点数に設定することで、心にゆとりを持たせようとしました。


もし今(今回のケースでは11月)に皆さんがセンター試験を受けるとしたら、各科目何点取れるでしょうか…?
もちろん目標点には届かないかもしれませんが、具体的に何点取れるのか、目標点に何点足りないのか把握しているでしょうか?

―H.Nさんは11月時点で、既にバランス良く得点できていたのですね。

H.N.さん(文科一類合格)の受験生当時の得点

H.N:早めに対策を初めていたこともあり、全体的に点数は取れていました。

ただ、地歴科目と数学がもう一伸び欲しいところ。
地歴は単純に勉強が足りておらず、数学は数学ⅡBを解ききれるかどうかがヤマでした。

―一方Y.Kさんは、得意不得意がはっきりわかれていたのですね。

Y.Kさん(理科一類合格)の受験生当時の得点

Y.K:数学に関しては、学校の授業でセンター対策をしてくれていたこともあり、順調でした。

国語は、学校の授業でセンター対策をしてくれていた現代文は85/100と夏に比べるとかなり上昇したのですが、古文漢文が今までサボり続けてきたツケを払うような形になり、一向に点数が上がりませんでした。

物理は、この時期までセンター対策は全くしておらず、全神経を二次対策へ向けていたので、センター特有の知識系統の問題などは「別に落としても、あとで勉強するだろう」と割り切っていました。

世界史は、3年から勉強を始めたのもあり、まだ学校の授業も全範囲はカバー出来ていなかったので、中々点数は上がりませんでした。


そもそも知識が足りないのか、慣れが必要なのか、あるいは取れるはずなんだけど点が取れないのか…
例えば「あと10点上げたい」という人でもそのためにやるべきことは人それぞれ。
あなたの場合、それは何でしょうか…?

―H.Nさんは2種類に分けて勉強していたそうですね。

H.N:そうですね。

①センター過去問等を使って演習する→国語・数学ⅠA・数学ⅡB(やや多めに)・英語
②参考書等を使って復習、その後演習→地理・政経・生物

ひとつ前の質問の通り、演習をすれば良い科目と、その前の勉強をするべき科目に分かれていることが分かりました。
その2種類で、やるべき勉強を分けることにしました。

―Y.Kさんは課題が国語・世界史と明確でしたね。

Y.K:とりあえず大至急やるべき科目は、古文・漢文の点数の底上げだと感じました。
ついで、僕のような理系の場合、社会は二次試験では不要なので、センター対策のみにフォーカスすることができるため、センター世界史の勉強時間を上げていかないと、と感じました。


どの参考書を、どれだけやるべきか、そしてそれにはどのくらい時間がかかるのか?
全部で何時間かかるのか、見積もってみましょう。

―H.Nさんは、やるべきことから目安の所要時間を見積もったそうですね。

H.N:そうですね。

①国語・数学ⅠA・数学ⅡB(やや多めに)・英語:過去問10〜15年分、数ⅡBは+5年分程度
②地理・政経・生物;センター対策用の参考書1冊+過去問10〜15年分

参考書1冊分にかかる時間は全部で14時間、
過去問は1科目50分+丸付け&直しに20分、
という形で全部で何時間かかるか計算しました。

―Y.Kさんは、苦手な3科目をどのように仕上げていきましたか。

Y.K:それぞれ一から勉強し直していきました。

①古文:重要単語を、単語帳を毎日通学の時間などでチェックしたり、休憩時間などに、学校の友達と問題を出し合い、自分の定着度を計る。
また、解いた問題の絶対量自体がかなり少ないと思ったので、毎日20分を目安に問題集の問題を1つ解き、またこの時期から、国語に関しては、5日に一回のペースでセンターの過去問を解き始めました。

②漢文:古文の場合とほとんど同じで、句法を中心に一から勉強し直しました。

③世界史:2日に一回1時間用語集を勉強する時間を設けました。
また、これも学校の友達と問題の出し合いをすることで、知識の定着度を計りました。
過去問は、自分の知識がまとまるまで、やってもあまり意味がないと思ったので、結局12月末まで、一度も手をつけませんでした。



H.N:僕の場合、11月の河合・駿台終わったくらいから本格的に初めたのですがそれが丁度良かったと思います。

10月下旬位から苦手な科目の参考書を読み始め、11月の模試が終わったら本格的に参考書学習をスタート。12月冬休みに入るシーズン頃からは センター試験の勉強:二次試験の勉強=7:3くらいでやっていました。

とは言っても、1日の勉強量丸々センターというのは本番数日前くらいで、後は二次試験のための勉強にも触れるようにしていました。

 

Y.K:数学、英語のセンター試験対策を本格的に始めた、つまり自学習の時間でもセンター試験の過去問演習を取り入れ始めたのは、12月に入ってからでした。 それまでは、それぞれ週に1回学校が授業でやってくれていたセンター対策だけでした。

物理・化学に関しては、過去問を解いたりなど本格的なセンター対策を始めたのは、12月末だったと思います。

理系の国公立の入試は、二次試験の理科の出来で決まるところが多いため、また理科の二次試験の勉強は割とセンター試験対策にも反映されるところが大きいと思ったので、この時期では割り切って、二次試験対策用の問題集を解きまくってました。
国語、世界史に関しては、かなりやばい状況だったので、この時期から対策をはじめました。

以上、Q1.「センター試験の勉強っていつ始めるべきですか?」にお答えしてみました。

もちろん、それぞれの質問に答えるために情報が足りなかったりすることもあるかと思います。その時はターゲット得点や参考書紹介(それぞれ公開予定)をぜひ参考にしてみてください。

次回は二次試験に向けての心構えを扱う予定です。お楽しみに!

根本紘志

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