高3向け

【入試情報】#04 東大入試の合格点

2023.06.17

  • 斎藤 匡洋

    プロの立場から昨今の数理物理の傾向を述べておきましょう。先ほど言及したユーリ・マニンは名前ぐらいは聞いたことがあると思います。1978年にKdV方程式という、当時、逆散乱法のテーマだったものを代数幾何学で解釈し直したことにより、その後の数理物理をあり方を決定した人。それ以前にはフランスのIHESの出版物にperfect fieldの論文をロシア語とフランス語で掲載していたことがありました。ご案内の通り、グロモフ・ヴィッテン普遍量の論文をマクシム・コンツェビッチと共同で提出したのが、非常に有名になったので、予備校講師の方々はその辺りから勉強を始めたのではないでしょうか?ただし、少なくともぼくがこの方の名前を書くと却下される傾向はあるようです。フロベニウス多様体関連は、案外に、書き手と読み手の結びつきが強い。特定分野の印象です。
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【入試情報】#03 東大入試の選抜方法と入試科目(2024年度受験生向け)

2023.06.15

  • 斎藤 匡洋

    英語問題対策として、課題として「ゴッドファーザー・パート1」を観ておくとよさそうな気がします。というか、お勧めしておきます。特に新巻き鮭のところが将来的に生活の役に立ちそうに思える。英語だとsermonでしょうか。「その時、女の柔肌はサーモン・ピンクに染まった」なんて文章が小説作品からの引用として出ないとも限らない。政治家になるにも絶対に必要な語彙といえるでしょう。もちろん、教授になるためにも。よく顔ぶれを考えて頂きたい。
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【入試情報】#02 東大が何を求めるか?

2023.06.14

  • 斎藤 匡洋

    ユーリ・マニンの論文を一度だけ文献に挙げていたようです。Preflipという論文で、1973年の放物形式の周期とp進ヘッケ級数という論文、そして、1979年の非線形微分方程式の代数的側面、というKdV方程式の代数幾何の論文。それだけでしたね、確認したところ。そんなに甘くないよ、この世界。
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【入試情報】#01 東大とはどんなところ?

2023.06.13

  • 斎藤 匡洋

    具体的に書籍を挙げておきます。河東泰之著「数学者の思案」(岩波)、そて、ロシア出身で代数幾何的な数理物理に関与した人として翻訳が出たらしいユーリ・マニン著「隠喩としての数学」(朝倉)。英語の本でFrobenius manifoldなんてことを書いたものをAMSから出していたとか、カントールについての小論を書いていたとか、そんなところがあった人。perfect fieldという表現はこの人が作ったもの。内容は読んでませんが、試しに読んでみては如何ですか?
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