なぜ日常で何の役にも立たない数学を勉強するのか…元ミス東大の医師が出した"ぐうの音も出ない解答" 論理の飛躍が許されない世界で自分の思考回路を説明する

2025.06.30

  • 川瀬響

    「なぜ数学を勉強しなければならないのか。」 こうした疑問を持ったことがある人は、きっと少なくないと思います。 記事の中にある「解答に至るまでの過程を論理的に組み立て、それを相手に伝わるように説明する力は、数学を通して鍛えられる」という意見には、私も強く共感します。 私自身も授業中、生徒に対して「答えが合っているかだけでなく、その過程を自分の言葉で説明できることが大切だよ」とよく伝えています。 問題の意図を読み取り、解法を発想し、 解答に至るまでのプロセスを丁寧にたどり、 それを相手に伝わるように説明する── こうした力は、社会に出てからも大いに役立ちます。 社会人として働く中で、課題を分析し、解決策を考え、 順序立てて行動し、成果や考えをわかりやすく伝える場面は少なくありません。 もちろん、数学の内容そのものにおもしろさを感じられれば、それは素晴らしいことです。 でも、そうでないとしても、「社会で活躍するためのトレーニング」と捉えられたら、 学びへの姿勢もきっと前向きになれると思います。
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窒素ガスと水からの触媒的アンモニア合成反応を可視光エネルギーにより駆動することに成功! ―常温常圧の反応条件下でのグリーンアンモニア合成法のさきがけ―

2025.06.16

  • 川瀬響

    東大のプレスリリースから、大学入試の勉強にも関わる話題をご紹介します。 アンモニアは、その生産量の80%以上が肥料として使用されており、 20世紀の人口爆発を支えた重要な物質といえます。 また、アンモニアは燃やしても二酸化炭素を排出しないことから、 近年ではクリーンエネルギーとしても注目されています。 (東大化学の入試問題でも、この話題が出題されたことがありますね。) しかし、アンモニアの生成過程では二酸化炭素が排出されるという課題があります。 現在、アンモニアの多くはハーバー・ボッシュ法で製造されていますが、 この方法で使用される水素は、天然ガスから取り出されるため、 その過程で二酸化炭素が排出されてしまうのです。 また、高校化学で学ぶとおり、ハーバー・ボッシュ法は高温・高圧の条件下で行われるため、 その条件を維持するのにも多くのエネルギーを必要とします。 そこで、リンク先の記事でも紹介されているように、 水を水素源として用い、穏やかな条件下でアンモニアを合成する新たな方法が研究されています。 記事中では、「モリブデン錯体」という触媒も登場します。 モリブデンという元素はあまりなじみがないかもしれませんが、 高校生物でも登場する、窒素固定細菌がもつ酵素「ニトロゲナーゼ」にも含まれる元素です。 窒素固定細菌は、常温・常圧で空気中の窒素からアンモニアを合成できるため、 こうした研究にも大きなヒントを与えているのでしょう。 20世紀の人類を支えたといっても過言ではないハーバー・ボッシュ法。 開発からすでに1世紀以上が経ちましたが、 それに代わる新たなアンモニア合成法が登場する日も、そう遠くないのかもしれませんね。
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「なぜわざわざ東大に?」 19歳で起業した女性経営者が京都から東大に進学した理由 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)

2025.06.08

  • 川瀬響

    ホテルの経営者として活躍されている東大の卒業生に関する記事をご紹介します。 記事で紹介されている龍崎さんは、 もともと「ホテルを経営したい」という明確な目標を持っていて、 「キャリアを拓くために」国内トップの東大を志願されたとのこと。 また、東京という、社会との接点が豊富な都市に立地していることも、 東大を目指す大きなきっかけになったと語られており、 ここは良い・悪いという話ではなく、事実として東大の大きなメリットだと感じます。 記事では、東大生の多くが「世間に期待されるキャリア」を選びがちではないかという点も指摘されています。 日本のトップ大学である東大に通う人材には、 世間からの大きな期待が寄せられることは避けられません。 だからこそ、自分の軸を見失わずに努力を続けることが、 ますます重要だと気付かされます。
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うまくいかないことがあるのは当然。諦めずに前に進み続けることが成功への最短ルート。

2025.06.05

関東ローカルの大学になりつつある 東大の現状.7|FairWind | 東京大学

2025.06.04

東京大学

  • 川瀬響

    地方から東大に進学する学生が減少しているという話題。 東大に進学する学生のうち、東京近郊(関東地方)出身の割合は、この15年間で10%以上増えているそうです。 もちろん、全国の人口に占める関東地方の割合が増えていることも影響しているかもしれません。 ただ、0~14歳の子どもの人口で見てみると、関東地方の7都県が全国に占める割合は、2007年には31.6%だったのが、2022年では33.8%と、大きくは変わっていません。 記事にもあるように、東大の魅力や東大で学ぶ意義が、地方の高校生には十分に伝わっていない可能性もあるのではないでしょうか。 私自身も、東京と地方の高校生が東大を目指すきっかけに差が生まれないように、微力ながら力になりたいと考えています。 それが、東大の多様性を広げ、日本全体の教育水準の向上にもつながると信じています。
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第98回五月祭公式ウェブサイト

2025.05.24

  • 川瀬響

    五月祭が今年も本郷キャンパスで開催されます。 私も、24日の開幕と同時に本郷キャンパスに行ってまいりました。 既にたくさんの来場者であふれていて、グッズ売り場やキャンパスツアーの受付には長蛇の列ができていました。 学生の熱気を感じることのできる、貴重な機会です。 学術展示や講演会はもちろん、1・2年生の屋台や、部活・サークルなどによるパフォーマンスも見どころです。 ただキャンパスの中を歩くだけでも、いろいろと発見があると思います。 もし東京の近くにお住まいであったり、東京を訪れる機会があったりする方は、訪れてみてはいかがでしょうか。
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学生も教員も女性がまだまだ少ない 東大の現状.5|横山広美ほか | 東京大学

2025.05.17

東京大学

  • 川瀬響

    東京大学の女性比率に関する話題。 私は理科一類から工学部に進学しましたが、 女子は20人に1人いるかどうか、という環境でした。 また、所属する学科の教授も全員が男性だったと記憶しています。 その環境を、いつしか当たり前だと思っていたことを反省します。 制度上明らかな差別は、当然積極的に是正していくべきだと思います。 しかし、そういった目に見える障壁は自覚しやすい分、対策も講じやすい。 本当に怖いのは、自らの経験だけをもとにした「思い込み」による何気ない発言・行動が、 他人の人生を大きく左右することに繋がっているのかもしれない、ということ。 そして、それがジェンダー不平等という大きな問題につながっているのかもしれない、ということ。 それを防ぐためには、目の前の現状に対して、 「そういうものだ」として決めつけて呑みこむのではなく、 常に疑問を持って、考えたり調べたりすることが大切だと思います。 教育に携わる人間としても、まず自分自身が学ぶことを止めてはいけないと、 改めて感じさせられました。
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東大卒アイドルだった私が、最年少26歳で渋谷区議会議員になった理由。「東大の恥」など誹謗中傷も。

2025.05.03

スタジオパーソル

  • 川瀬響

    東大を卒業して社会で活躍されている方に関する記事を紹介します。 記事で紹介されている橋本さんは、 自分の好きなこと・興味のあることに対して、 「好きだ」「興味はある」で終わるのではなく、 実際に挑戦していくことを大事にされています。 それは、決して簡単なことではないと思いますが、 人生を豊かにしていくうえでとても大事なポイントであると感じます。 橋本さんは様々なことに挑戦していく中で、心無い誹謗中傷も受けてしまったとのこと。 その誹謗中傷に関する話題が記事の中で2回登場しますが、 記事の前半が、「ここであきらめてしまうと私が損をして、叩いた人たちが喜び、得することになってしまう。」とあるのに、 後半では、「私がここでくじけてしまうと、若者が政治に参画する必要性を痛感した経験や、メンバーの輝く姿を見て受けた衝撃、感動が無かったものになってしまいます。」 と視野が広がっていることが、興味深いです。 挑戦を積み重ね、一つ一つ誠実に実行し、自信に繋げていくことが、 より多くの人を巻き込んだ大きな挑戦に繋がることを再確認させていただきました。
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植物の開花の始まりを抑える未知の遺伝子制御の仕組みを解明 ―植物特異的Dof転写因子はDNA上の近接した結合配列のタンデムリピートに 効率的に集積する― | 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部

2025.04.26

  • 川瀬響

    東大のプレスリリースから、大学入試の勉強に関わる話題を紹介します。 今日紹介するのは、高校生物でも学ぶ「調節タンパク質」に関する研究。 (調節タンパク質というのは一般的には「転写因子」と呼ばれることが多く、この記事でも「転写因子」と記述されています。) 「シロイヌナズナ」の「フロリゲン(FTタンパク質)」の発現を誘導する転写因子の発現に関する研究です。 シロイヌナズナもフロリゲンも、高校生物で学ぶ内容ですね。 この研究では、転写因子がどのようにDNAに結合するのか、どのようにDNAの転写を抑制または促進するのかについて、 詳しい仕組みを解き明かしています。 転写因子がただDNA上の塩基と結合するだけでなく、DNAの二重らせん構造とも相互作用をしているというのが個人的には興味深いです。 高校で学ぶ内容を少し深堀すると、まだまだ新しい発見もたくさんあるのですね。
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