【東大数学分野別解説】#03 積分で求積しない "空間図形"
連載:東大数学分野別解説
2021.12.09
分野別過去問解説の第 3 弾です。今回は空間図形の問題(積分で体積を求める問題は除く)を 2 問。
最後に東大数学の空間図形の問題の特徴,傾向についても述べます。
問 題 1
まずは 2001年 文系 第1問,理系 第1問(共通問題)。
半径
東京大学 2001年 文系 第1問, 理系 第1問の球面上に四点 がある。四面体 の各辺の長さは, , を満たしている。このとき の値を求めよ。
問 題 1 の 解 答( 略 解 )
いろいろな方法が考えられるが,ここでは空間座標を用いて計算してみる。(細かい計算は省略しています。計算よりも座標設定の方法を理解してほしいです!)
三角形

次に
が成り立つ。これを
四面体
これを解くと
問 題 1 の ポ イ ン ト ・ 補 足
- 座標を設定する場合,計算がわりと大変でミスしやすい。出てきた答え
は よりも少し大きいくらいで直感にも合う。このように,出てきた答えの値が直感に矛盾しないか確認することで検算になる。 - なお "辺
側から四面体を見ると がひし形に見える" ことを用いて解くこともできる。ただ,座標計算に比べて空間把握能力が必要。
問 題 2
続いて 2010年 理系 第6問。

問 題 2 の 解 答
(1) ただ計算を進めるだけですが,計算量がわりと多め。
残り 2 つも同様にして,
次に,
以上 2 つの式を解くと
(2)
まず,
▶︎
このとき断面は三角形である。底辺の長さは
▶︎
このとき断面は台形である。下底の長さは
(3) ここまでくればあとわずかです。
よって,
問 題 2 の ポ イ ン ト ・ 補 足
- (1) は基本的な問題。絶対に正解する必要がある。(2) が山場,(3) は (2) ができればサービス問題。
- 考え方はそこまで難しくないが,相当な計算量。普段から "考え方が分かったからもういいや" と終わらせるのではなく,短時間で計算をやりきって正しい答えを出すところまで訓練をしておく必要がある。
- 特に
の長さを計算するあたりで心が折れやすいかも。どうしてもキツい場合は,一旦ほかの問題に移って気分転換するのもアリでしょう。
なお,本問の

ま と め 〜 東 大 空 間 図 形 の 傾 向 〜
- 空間把握能力(どこの面で切るとよいか,どこが垂直でどこが平行か,など)ももちろん必要だが,険しい計算を強引に突破する力も重要(例えば今回の問題 1 はほぼ計算のみで解けた)。基本的な座標計算,ベクトル計算,三角関数の計算(余弦定理など)を素早く正確にできるように繰り返し練習しておこう。
- 場合分けや厳しい計算を要求される問題が多いので,検算は必須。自分の計算を再確認するだけでなく,出てきた答えが直感的に(大まかに)正しそうな値かどうか必ず確認しよう。